ディズニープラスのオリジナルドキュメンタリー「ディズニーパークの裏側~進化し続けるアトラクション~」(原題:BehindTheAttraction)が2021年7月30日(金)よりディズニープラスで独占配信されています。
ブライアン・ヴォルク=ワイス監督のインタビューの模様をお届けします。
シリーズ制作の背景
–––とても興味深く、また感動的な番組ですね。あなたはこのシリーズですごくたくさんのことを取り上げています。準備のためにアーカイブのフッテージを見たり、すごくたくさんリサーチをしないといけなかったと思いますが、どれくらいリサーチをしたんですか?また、このシリーズを作るのには実際どれくらいかかったんですか?
監督:背景を説明するね。シリーズの撮影自体は、約3ヶ月だった。リサーチ段階は10ヶ月。実際このシリーズの撮影を始める前に、10ヶ月間インタビューをやって、10ヶ月間インタビュー前の準備をやったんだ。フルタイムのリサーチ・チームが6人いた。僕のキャリアにおいて、リサーチ・チームに2人以上いたことはこれまで一度もなかったよ。それから、ディズニーは会社として、すごく良い記録を保持しているんだ。僕たちは、さまざまなアーカイブすべてと仕事をすることが出来た。それはマジカルだったよ。ディズニーが本当に良い記録をキープしているだけじゃなく、その記録はすごくよく整理されているから、どんな質問をしても、彼らは欲しいものを与えてくれた。たとえば、「1969年、人々がディズニー・ワールドに入っていくところのショットはある?」と聞くとする。そしたら彼らは、「はい。どんなアングルのものが欲しいですか?」って感じなんだ。「おお、それはありません」とか「私たちは知りません」とかいうことはまったくなかった。「はい、それはあります。8つバージョンがあります。HighDef(ハイデフィニション)、LowDef(ローデフィニション)、16ミリ、、、」って感じだった。彼らはすべてを持っていたんだ。そして、それがどこにあるのか、はっきりわかっていた。
「ディズニーをディズニーたらしめているのはハートだと思う」
–––あなたは、とても楽しく、同時に百科事典のような「ボクらを作ったオモチャたち」も監督していて、そのことについて記者会見で少し話しました。あなたは最初からこの番組を楽しい作品で、でもまたとてもたくさんの情報が入ったものにしたかったんですか?それは、最初からこのシリーズでやりたかったことですか?
監督:イエスでありノーでもある。イエス、僕たちは、楽しいものにしたかった。イエス、たくさんユーモアがあるものにしたかった。でも僕は、同じことを繰り返したくないんだ。僕は、人々に、僕たちは彼らが気に入るかもしれないものを作っていると信頼して欲しかった。でも、同じものを何度も何度も作り続ける監督になりたくなかった。だから、僕たちが番組を作っている時にはいつも、特に「ディズニーパークの裏側」では、僕たちは進化したかった。楽しさは失わず、ユーモアは失わず、でももっと進化して、この番組にもっとたくさんハートを入れ込もうとしたんだ。なぜなら、会社としてディズニーは、アトラクションは言うまでもなく…興味深いことに、ディズニーは常にストーリーについて話している。確かに、すべてはストーリー次第だ。そしてすべてはキャラクター次第なんだ。でも、それらにはハートがあるから、ストーリーはうまくいくし、キャラクターはうまくいくんだ。すべてのディズニー映画のヴィランでさえ平面的じゃない。「アア!みんなに怒ってるんだ!」みたいなことはない。彼らは深みのあるキャラクターなんだ。彼らは悪いけど、どういうことで彼らが悪くなったのか理解できる。ディズニーをディズニーたらしめているのはハートだと思う。僕たちは、それをこの番組に入れようとしたんだよ。
日本と東京ディズニーシーが好きな理由
–––「ホーンテッドマンション」のエピソードに東京ディズニーランドが出てきました。次のシーズンで、東京ディズニーランドや東京ディズニーシーをもっと取り上げる予定はありませんか?
監督:もし僕次第なら…話したように、僕は巨大なチームの一部である1人なんだ。でも、もし僕次第なら?ディズニーシーでシーズン全部をやりたいよ。すごく刺激的なんだ。ディズニーパークとして驚異的だ。
僕は日本に6回行ったことがある。もっともたくさん行ったことがある国なんだ。日本の次(に行ったことがある国)は、2回だけだ。普通、ある国に1回以上行かない。仕事でない限りはね。僕は日本が大好きなんだ。なぜ僕が日本が大好きかという理由の一部だけど…僕はいつも日本のことを、地球上でもっともクリエイティブで、もっともユニークな国の一つだと思うんだ。そして、僕がいつもその例として話すことで、日本の人たちが、僕がそれを取り上げるのが可笑しいと思うことがあるんだ。日本以外の、世界中のすべての国で、警察が通りを通れないようにするために使うバリケードがあるよね。世界のすべての国では、2つの木片が立ててあって、横向きに木片がある。それだけだ。日本では、横向きの板を支えているのは、キャラクターだったりするんだ。黄色いスマイルのキャラクターとかいろんなものがある。僕にとって、それはいつも、日本の素晴らしい縮図なんだ。なぜなら、日本の文化は、細部にとてもこだわるように思えるからだ。ディテールがすべてなんだ。
そして、ディズニーシーで僕が見たものは、すべてディテールにこだわっていた。すべてのことのディテールにこだわりがあるんだ。僕にとって、それはすごくユニークで、スペシャルだから、もし僕が好きなように出来るならーー期待しないでもらいたい。多分これが実現することはないだろうからねーーでも、もし僕が好きなように出来るなら、シーズン全部をディズニーシーについて(のエピソード)にするよ。
秘密を見せるか隠すかのバランス
–––私たちは、舞台裏に行って、すべてのアトラクションを見ることになります。ウォルト・ディズニーは、ある意味テレビ番組でそういうことをしました。でも同時に、ディズニーはずっと、マジックを台なしにしないように、舞台裏の秘密を隠したがりました。こういう番組で、あなたはそのバランスをどのように取ったんですか?
監督:正直に話すね。僕はとても素早く、僕にはそれを出来ないことがわかったんだ。それはディズニーがやらないといけなかった。僕たちが提出した最初のバージョンには、決して承認されないものが入っているのがわかっていた。僕たちは検閲したくなかった。そして、彼らは僕たちを検閲しなかった。それは間違った言葉だね。でも僕たちは、「ああ、彼らは決してそれをやらないよ」と言いたくなかった。僕たちは最初のバージョンを提出した。いくつかのことははずされることがわかっていた。時々、僕たちは戦って、「お願い。お願いだからこれはキープさせて」って言ったりした。時々、彼らはキープさせてくれた。時々はだめだった。でも、とても大変だった。とても、とても大変だったよ。僕たちが(最終的にこの番組で)見れたものを信じられなかった。文字通り、それが(ここまでやらせてもらえたことが?)信じられなかったよ。
–––ありがとうございます。ディズニーシーに行けるといいですね。
監督:僕は行くよ。