ハウステンボスは、髙村耕太郎新社長を、2023年10月1日(日)に迎えました。髙村社長は就任挨拶会見にて、前職のオリエンタルランドでの経歴を説明しました。
街を作っていく夢でOLCに入社
髙村社長は、1973年9月23日生まれで、50歳を迎えたばかり。
兵庫県神戸市に生まれ、早くに東京に移って、大学も東京東京造形大学造形学部に進学。美術大学でデザインの勉強をしていたものの、在学中に自分のデザインの才能を見限ったそう。どこか総合職で入れる会社を探していたところ、大学の1番の親友がオリエンタルランド(OLC)に入社するという話を聞いて、それについて行って入れてもらったと、OLC入社の経緯を明かしました。
OLCに対しては、何かのプロセスの中で、どこかだけ切り取られたような仕事をするよりは、これからエリア全体や街全体を作っていくような仕事に携われたらいいなと思っていた中でシンパシーを感じたと説明。
思い返すと、幼稚園で未来をテーマに絵を描いたときに、街を作っている自分の絵を描いていたそうで、OLCのテーマパーク事業につながりました。また、その延長線上に、ハウステンボスの魅力も感じているのかなと、現在までのキャリア選択を語りました。
25年間“テーマパーク屋”一筋
1998年に新卒で入社してから約25年半、OLCで働きいてきた髙村社長。実質OLCは東京ディズニーリゾート一本に近い形でやっている会社だとし、“テーマパーク屋”一筋でやってきた人間と自己紹介をしました。
OLCでは企画管理畑。いわゆるオペレーションというより、会社全体の中長期の戦略を立てて、それをプロジェクトベースに落とす作業を担当してきました。アトラクションやエリア、ホテルを開発するようなプロジェクトベースの成長戦略を推進しながら、また中長期の戦略を立てて新しいプロジェクトを作っていくという役割と説明しました。
2015年には経営戦略部長になり、2018年には40代で執行役員に就任。OLC社内の組織変更により、リゾートクリエイト部長、経営戦略本部副本部長と執行役員の中で担当部署を異動しました。
その中で、成長戦略に加えて、上場企業としての全体の財務と経営管理を統括する仕事も行いました。
ファンタジースプリングス開発責任者
OLCでは中長期の計画を組み実行する中で、自身の職務を「やや上流行程」と表現。実際のオペレーションは他の部署が担当することが多かったと振り返ります。
その中で直接関わったのが、2024年春オープン予定の東京ディズニーシー新エリア「ファンタジースプリングス」。高野氏の下で、エリア開発責任者を務めました。
OLC執行役員からハウステンボス社長に転職
新エリア開発時の上司である高野氏は、2023年6月にOLCの会長兼CEOに就任。髙村氏はOLC執行役員を続けていました。
高野氏が会長に就任した頃、髙村氏にはハウステンボス社長就任の打診が届きました。髙村氏は1ヶ月ほどでハウステンボスへの転職を決断。OLC加賀見取締役会議長にも直接退職の意思を伝えたそうです。そして9月末で退職し、翌日からハウステンボスの新社長に就任しました。
50代を迎え、次のキャリアをどういう風に考えるかという中で、同じ業種の中で機会に恵まれたのは嬉しく思うと語った髙村社長。
「前職オリエンタルランド、東京ディズニーリゾートは非常に素晴らしい会社、今でも大好きです。」
好きなアトラクションは「ホーンテッドマンション」
ディズニーパークで好きなアトラクションを聞かれると「ホーンテッドマンション」と即答。
理由として、元々何かの映画をテーマにしないで作られていることにすごくパワーを感じると語りました。
近年、今テーマパークは特定のIPや映画がないとできないように言われている中で、「ホーンテッドマンション」はIPがなくてもああいった体験が作れるのはすごいと表現。この考えは、特定のIPに基づかないハウステンボスの開発とも一致しています。
また、ハウステンボスに自身のノウハウを投入するにあたり、ディズニーのやり方を使おうとすると逆に失敗するなと思っていると説明。ハウステンボスの環境に合わせた戦略をとっていく姿勢を明確に示しました。