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「ジブリパーク」開園 宮崎監督が語る“公園”としての成り立ち

2022年11月1日 あとなび

ジブリの大倉庫

ジブリパークが、2022年11月1日(火)、先行3エリアを開園します。

パークの企画監修を務めるスタジオジブリの宮崎吾朗監督が、10月12日(水)の「ジブリパーク」内覧会と、10月28日(金)の「ジブリパークとジブリ展」開会式で語った言葉をご紹介します。

ジブリ作品をどう後世に残していこうか

「ジブリパークとジブリ展」開会式(10月28日開催) 宮崎吾朗監督

我々が知事から最初のお話をいただいてから、5年以上の月日が経ちました。 5年経ち、今ここに立たせていただいていることをとても嬉しく思います。最初に「どのくらいかかりますか」と大村知事に聞かれたときに「5年くらい」と答えたのですが、その約束を守ることができました。

このジブリパークを作ろうと思ったひとつのきっかけが、宮﨑駿監督の長編作品からの引退発言でした。スタジオジブリはもう長編映画を作らないという状況中で、ジブリ作品をどう後世に残していこうかと考えていたときに、ジブリパークのお話をいただいて。ジブリ作品のいろいろな魅力を詰め込んだパークを作ることで、多くに人に忘れられないようにしたいという思いが当時の私にはありました。ところが、宮﨑駿は今長編映画を作っておりまして…(笑)。梯子を外されたような感じはありますが…(笑)。

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出発点「サツキとメイの家」

サツキとメイの家

我々が最初に関わったのは、2005年の愛・地球博のパビリオンとして建てさせていただいた「サツキとメイの家」。このジブリパークのお話が始まったのも、その「サツキとメイの家」がきちんと残っていたからだと思うのです。あんな小さな家ですが、毎年かなりの方が訪れてくださって、それが今回のジブリパークにつながっているのだと思います。そういう意味では出発点みたいなことですよね。

サツキとメイの家

当時は、僕らが現場に入った時はもうすでに導線工事が始まっていまして、サツキとメイの家をどこに建てるかの候補地を見せていただくというところから始まりました。一番、万博の会場が何も見えないところが今のサツキとメイの家の場所なんですね。だから工事中も華やかな万博のメイン会場は僕1回も見てないんですよ(笑)。ずっと裏のルートを通って現場に行きという感じで。

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温水プールから生まれ変わった大倉庫

ジブリの大倉庫

「ジブリの大倉庫」は一番大きい施設でありますし、温水プールだったところを用途変更をするっていう形で整備しているので、色々なことがあった現場ですね。

まず温水プールというものがあって、その建物を生かしながら用途を変えていくというのはすごく手間のかかることで、構造的な問題だとか設計技師の方とかゼネコンの方と一個ずつ潰していくという作業で、そっちの方が大変だったな。一旦取り壊して更地にして作り直す方がよっぽど多分楽なんですよね。それはやりたくないなというところから出発したものですから、あえて手間のかかることをやっています。

自然や環境に助けてもらった

サツキとメイの家

まず、愛・地球博記念公園内に造るにあたり、ジブリパークがすでにある公園の機能をどかしてしまったり、やたらと木を切ったり地形を変えてはいけないと考えました。そこで、なるべく影響が少なくすむ場所を選び、どうしても木を切らなければならない場合は別の場所に移植するなどしています。

建物は建物としてあるだけで美しいのではなく、横に木が一本でもあることで初めて風景になると、宮﨑駿は常々言っており、私もそう思っています。今回、改めて周りに木々があることで建物が引き立って見える、まるで昔からそこのあったように見えるという、公園内にあることの恩恵は素晴らしいと感じました。ですので、我々が自然や環境に気を使ったのではなく、助けてもらったというのが正確だと思います。

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古いものを残す考え

僕がアニメーション映画みたいなのに関わるきっかけになったのは『ゲド戦記』なんですけれど、改めてアニメーション映画を作るということと向かい合わなきゃいけなかったのは、むしろ2作目の『コクリコ坂から』なんですね。その時の方が苦労も多かったですし、考えることが多かったんですけれど。作品は高校生のラブストーリーなんですけど、そこにカルチェラタンという建物の取り壊しを巡るという話がが合ったものですから。古いものを残すとか、いや残さないとはどういうことかということは、すごく考えたんです。

ジブリの大倉庫

若い時って古いものよりも新しいものが良いって、やっぱり僕なんかも思っていましたから、こういう作品を作ったり自分も歳取ったりしてくる中で、今回の「ジブリの大倉庫」に取り組むときに、安易に取り壊したりとか形を変えてしまうのは良くないんじゃないかなという風に思ったんですね。なので「ジブリの大倉庫」の1つの出発点に『コクリコ坂から』があるのかなと思っています。

2期工事の真っ只中

1期工事(22年11月開園の3エリア)の建物は、もう6月末に竣工していまして、中の展示も9月末に一旦竣工をみているんです。なので僕の中では一旦そこで終わってまして、今僕は何やってるかと言いますと、2期工事(23年度開園予定の2エリア)の方がでに佳境になっていて、こちらの工事の方の監修その他をしなければなりませんから、2期工事も無事にスケジュール通りオープンできるように、そして多くの方に楽しんでいただけるように引き続き頑張っていきたいと思います。

 

「ジブリパークはテーマパークだという風に捉えられているが公園であってほしいと思っている」と語る宮崎監督。公園の美しさとこだわりを、特集していきます。

© Studio Ghibli
※記事の内容は取材時の情報です。掲載している情報が変更になっている場合があります。
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