テーマパークが2022年に配信開始した楽曲について、2022年サブスク楽曲対談の模様をお届けします。
テーマパーク音源 配信傾向2022
–––2022年のテーマパーク音源はどうでしたか?
加坂:テーマパーク音源で言うと、東京ディズニーリゾートが全然発売しなくなって。CDを買うという行為が減りましたね。
坂東:今回のためにリストアップしてみてびっくりしました。
加:海外も減っているし。
–––逆に海外は配信のおかげで増えた感じはありますよね。
坂:パリも色々出してくれてありがたい。
–––今年CDで発売された「ハーモニアス」も、CDは日本から出しましたからね。
パルケエスパーニャ
–––今年はパルケエスパーニャが配信を始めました。
加:パルケエスパーニャは元々結構積極的ですよね。
坂:元々ベストアルバム2枚があったところに、「パティオ デル カント~ダルシネアの秘密の花園~」のサントラが出て、今年配信が始まって。
–––宝塚歌劇団でも、パルケエスパーニャの曲が使われました。
坂:パレード「エスパーニャカーニバル“アデランテ”」のオープニングフロートで流れるパレードテーマ、その上でアレンジでかかるダルシネアフロートの「思い出のエスパーニャ」、闘牛のトロのフロートの楽曲、ショーモードの曲が使われました。アレンジとしては、かなりストレートです。ほとんどそのまま。
ラインダンスのシーンで使われていて、元がマーチ調の曲ではあるので。アメリカンマーチのラインダンスの雰囲気に近いです。
元々パルケエスパーニャの曲を使われるとは発表されていなくて、新人公演で流れたと話題になったところで、作詞や演出をされている方が星組公演に承諾をしたと発表されたという展開です。
加:結構ここだけ聴きますね。
坂:本家のパルケではパレードだったアデランテがショー形式になって。元々2014年のパレードで、東北とか神戸とかの災害に向けて書いた思いがあるという曲で。コロナ禍で色々な形で楽しまれていることが。
坂:余談だけれど、阪急(宝塚)のショーで近鉄(パルケ)のショー使うって面白い。
サンリオピューロランド
–––サンリオピューロランドが「Nakayoku Connect」の音源を配信しました。
坂:ピューロランドがサブスクに楽曲を乗せるのが初でした。ピューロのサントラはCDでは発売されてきましたが、「Nakayoku Connect」は初音源化で、唯一のサブスク楽曲になっています。エレクトロ系のジャンルをやられる作曲家が作っていて。
曲は大好きです。素晴らしいし、楽曲を何度も聴きたくなりました。バーチャル版の映像が公式で上がっていて、バーチャル側の音声が上がっているので、それを何度も聴いていたので、配信されてよかったです。
加:外部の作曲家だなという印象。
坂:その外部感も良いですね。
ピューロとパルケの共通点
坂:両方ともバーチャルコンテンツをやっていて、デジタル方面に強いのかな。
「Nakayoku Connect」はパークのショーと同時に、VRチャット上でもショーを公演しています。パルケはメタバース的なアプローチで、バーチャル上にパークがあって、ゲームとかができる。
東京ディズニーシー
–––「ビリーヴ!〜シー・オブ・ドリームス〜」もテーマソングが先に配信リリースされました。
加:シングルカットのCD化はされていないですね。MISIAなのに。
坂:20周年の時に、サブスクに向けてシングルカットの形がテーマパークも変わってるよって話をラジオでちょっとしたんですよ。元々東京ディズニーリゾートの音源って、ショー丸ごと1トラックという形だったのが、段々とサブスクでシングルカットになって。
坂:それで言うと「サマーオアシススプラッシュ」がなぜか1曲だけ売って。アイコンもショーのロゴかなんかで。あれは先駆けだったのかな?
加:そういう変化がテーマパーク音源界もあって、「ビリーヴ!」の配信の作り方とかもそうなんですが、CDあると思っていたぐらいに、当たり前のようにあって。
コレクタブルアイテムとしてのCD
加:音源もだいぶ変わってきたじゃないですか。
坂:海外にあった、音源を選んでCDにするやつって面白かったですね。
加:あれを全部配信にしてほしいですね。
坂:でも配信ではブックレットがなくて、ブックレットでしかスタッフがわからないなとかあるじゃないですか。
加:特にテーマパークのエンタメは何を誰が作ったかはブックレットでしかわからない。
坂:そういう意味でコレクタブルアイテムはリアルパークでは流行っているわけだから、そこがもう少し上手くいけばいいなって。
レコード化にも期待
坂:レコードとかも流行っていますもんね
加:ディズニーも映画側はレコードをたくさん出していて、200枚限定とかのが完売するので。
D23 Expo 2022でもウォルト・ディズニー・レコードがブースを出していて。CDは2,3種しかなくて、あとレコードが何十種も売っていて。
坂:どういう音源があったんですか。
加:『バンビ』とか『ピノキオ』とかもあるし。
坂:復刻という扱いですか。
加:盤面上は当時のLPの復刻。それもあるし、昨今のマーベルも並んでいる。買う層がわかっているのよ。昔からアメコミが好きな人がLPも好きと。
坂:それは確かにありですね。
加:今日本の音楽市場だとLPを出す文化がすごくあるじゃないですか。
坂:面白いとされているし。
加:LP文化って日本だけじゃないんだと思いました。