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海のシルクロード「ラグナシア」のやわらかな光を撮り歩く

2021年1月24日 坂東樹

“View Finder”を通して、テーマパークの新たな楽しみ方の”Style”を見つける、『Find My Style』。今回は、ラグナシアを、コンパクトフィルムカメラで撮り歩きます。

プロローグ

2020年は、テーマパークのみならず、エンターテイメントが好きだ、という人にはとても生きづらい年になったのではないでしょうか。私も例に漏れず、とても期待していた季節のイベントやショーの多くがキャンセルになってしまったりして、なんというか、震えようとする心の行く先がなくなってしまったような感覚に低調な日々を過ごしていました。10月も終わってしまうから、頑張ってる自分にちょっとした贅沢でも、と訪れた回転寿司のカウンター席で、ふとすぐ近くで美味しい海鮮が食べられるテーマパークのことが頭をよぎりました。(これについて詳しくはいつかお話する機会があれば…ということで。)丁度実施されているGo To トラベルキャンペーンの恩恵を受ければ、普段ではなかなか足を運びづらいエリアでも、勢いさえあれば決断できるように思えました。早速、翌日の宿だけを確保して、帰る日程も決まらないままの旅へ出ることを決めて、回転寿司屋を後にしたのでした。

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本当に求めていた光

ラグナシアに足を踏み入れたのは数年前のクリスマス以来。ハロウィーンイベント期間中の来訪は初めてでした。ハロウィーンのステージショーが上演されていて、おどろおどろしい世界観に「求めていたのはこれだ!」と気持ちが高揚したのを覚えています。

そんなショーの合間に、ほんのりと潮風が混ざった空気を浴びながら、今朝急いで詰めた残りコマ数もあいまいなフィルムカメラを取り出して歩き始めました。

祖父から受け継がれたマニュアル一眼、手動巻き上げのハーフサイズ、と手のかかる子たちばかり扱ってきてから、フルオートのフィルムコンパクトに初めて触れて、手の中で微妙な振動と音を立てて勝手に巻き上がっていく感触がなんとも愛おしく感じました。ショーはもちろんミラーレス一眼で目まぐるしく、ハロウィーンの世界観を作るべく移り変わるショーライティングの中で撮影しているわけですが、こうして穏やかな港町の風景をゆっくりと撮り歩いてきた一枚一枚を見ていると、本当に求めていたのは、他でもないやわらかな光なのかもしれないと感じます。

テーマパークに行かなくなると、久しく浴びていなかったやわらかな陽の光。それが教えてくれる日没へのカウントダウン。きっとこのカメラが、ゆっくりと巻き上げていく一コマ一コマを受け止めながら、そういった本当に自分が求めていたものを教えてくれていたのかもしれません。

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今回の”View Finder”

CONTAX Tvs
1993年9月発売の高級コンパクトフィルムカメラ。カールツァイスの28-56mmズームレンズを搭載。
中古で購入。美品ではあるものの、たぶんレンズが曇っていて光がやわらかく写る。

エピローグ

テーマパークというもの、季節のイベントや雰囲気も素敵だし、それがなくなって寂しい気持ちもあるけれども、もっと根本的なところに、その楽しさはあるのかもしれないと思わされると記事に書きあげて改めて思います。青空、陽の光をステージに、テーマパークはいつでも物語を魅せてくれているのでしょう。さて、次はどんなStyleを探しに行きましょうか…。

※記事の内容は取材時の情報です。掲載している情報が変更になっている場合があります。
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