“View Finder”を通して、テーマパークの新たな楽しみ方の”Style”を見つける、『Find My Style』。今回は、”ニューノーマルUSJ”を、ハーフ判フィルムカメラで撮り歩きます。
プロローグ
大好きなリサイクルショップ廻りで、いつか使ってみたいなあと思っていたハーフ判フィルムカメラに出逢ってしまい、連れて帰ってきてからもう半年くらいは経ったでしょうか。なかなか撮りに行く機会に恵まれませんでした。
上記記事にも掲載されているニューノーマルのUSJを取材させていただけるということで、「キャパシティコントロールされた贅沢なパーク空間では、今まで気づけなかったエリアごとの拘りにも気付ける」という文字を見たときに、「使うなら今だな」、と直感で感じました。出発前夜に、これまたいつか使ってみたいと思っていたフィルム2本を用意したのです。
1本目のフィルム
写真を撮る贅沢さ、ってなんでしょうか。私含め、なかなかカメラと言えばデジタルな世代の人間にはわからなかった感覚ではあるのですが、巻き上げダイアルを巻いているとき、これは「贅沢」だな、と思うときがあります。フィルム代とか、現像代とか、お金のことはもちろんそうですが、これからこのフィルムには現像に関わる人の手だったり、そもそも現代の物に比べてうんと手間のかかるカメラを扱って写していく自分の手がかかていって、写真という形になっていくんだと考えると、それはそれは贅沢なことだなあと思うわけです。
しかしなかなかこの贅沢さ、が分かってしまうと途端にシャッターを切るのが難しくなってしまいます。仕上がったものを見ていても、ちょっとした迷いみたいなものがフレームに充満しているように感じてしまいます。
2本目のフィルム
1本目に選んだフィルムは実は3本セット売りだったので、そのフィルムだけを持って出かけるつもりをしていました。しかし前日夜の家電量販店、フィルム売り場で「いやこれ気になるなあ、でもちょっと高いしなあ」と悩んでいたときに、これまた直感が「こっちのフィルムも買って行け」と言った気がして買ったのが2本目のフィルムでした。
眼前に広がる、時折独り占めをしているかのような感覚に陥るユニバーサル・スタジオ・ジャパンの風景。やっと気づいたのです。私がなにより「贅沢」しなければいけなかったのです。そこに気づいてからの72枚は、あっという間でした。
今回の”View Finder”
初めて持ち出したハーフ判フィルムカメラ「OLYMPUS PEN EE-2」固定焦点、F3.5〜16の絞り値と2段階のシャッタースピードをレンズ周りのセレン素子で測光し組み合わせて撮影する。電池いらずのプログラムAEという愛すべきロー?テクカメラ。
エピローグ
今回は、”ニューノーマルUSJ”をハーフ判で贅沢に、アナログに撮り歩きました。なによりも写真をを見てわかっていただけると思うのですが、全く人が写り込まないシーンが撮れる瞬間もあって、一呼吸置いて、出来上がってくる画を想像して撮るスタイルにぴったりの条件の中、シャッターを切っていくことができました。元々写真は撮り手の内面が強く写り込むと信じて止まない方ですが、フィルムで撮っているときはその性格がより強い気がします。本当に2本目のフィルムからは自由に贅沢に撮っていることが見えてきますね。次はどんなStyleを探しに行きましょうか…。