東武動物公園は、「水上木製コースターレジーナⅡ(ドゥーエ)」を、2023年3月18日(土)にオープンします。
世界初の水上木製コースター
レジーナのオープンは2000年3月。日本で5番目に作られた木製コースターで、水上の木製コースターとしては世界初です。
全長1,334m、最高部37mのコースを支えるのは、ボルトとレール以外全て木でできた骨組みです。木製独特の横揺れやきしみ、木組みの中を走り抜ける臨場感が、時速90kmという数字以上のスリルを演出しました。
また、水上にそびえるコース全景の美しいフォルムから、イタリア語で「女王(regina)」を意味するレジーナと命名。美しい女性が横たわったようにも見え、その独特の造形美も魅力の一つとなっていました。
全長1,334mのコースでは、木製独自の横揺れによる恐怖感、木組み内を走り抜ける臨場感、キャメルバック(ラクダのこぶ)による躍動感などを体験でき、想像以上のスリルを味わえました。
営業開始日:2000年3月18日
営業終了日:2019年8月9日
コース全長:1,334m
最高部:37m
最高速度:90km/h
最大遠心力:2.78G
定員:1編成 4人×7輌(28人)
所要時間:約3分
利用制限身長:120cm以上
日本の木製コースター
城島高原パーク「ジュピター」(大分)
ひらかたパーク「エルフ」(大阪)
ナガシマスパーランド「白鯨」(三重)※木と鉄のハイブリッド
誕生のきっかけ
「世界初の水上木製コースター」誕生のきっかけは、東武動物公園の立地に由来します。
東武動物公園の周辺にはかつて笠原沼という沼があり、園内にはその沼に由来する広い水辺が多く存在します。現在レジーナが位置する場所も以前はボート池として使われており、新コースター建造の際、スリルや美しさを演出するために豊富な水辺を活かしました。
レジーナに限らず、現在営業中のコースター「カワセミ」も水上に建てられており、水上コースターは東武動物公園の伝統ともいえます。
初年度55万人が乗車
デビュー当時、唯一無二のコースターだったレジーナは、初年度に約55万人が乗車する大ヒットを記録。以来19年間で延べ380万人が乗車しました。
東武動物公園のテーマソングにもレジーナの名前が登場するなど、名実ともに同園を代表する人気アトラクションの地位を確立しました。
コース上にある照明を落とし真っ暗なコースを走行する「暗黒レジーナ」「ホラー・ザ・レジーナ」などの期間限定イベントも人気を集めました。
車両の経年劣化により2019年8月営業終了
しかし、2019年7月1日からの定期点検の結果、車両の経年劣化が判明。安全を優先し、点検終了日の8月9日に営業を終了することになりました。
点検後の営業はないため、2019年6月30日が事実上のラストランとなっています。公式Twitterアカウントでの営業終了告知のツイートは1万3000件以上リツイートされ、「大好きでした」、「木製コースターの美しさに惚れ惚れ」、「最後にもう一度乗りたかった」と営業終了を惜しむツイートが多くせられました。
SNS上では車両の入れ替えての営業継続を望む声も聞かれましたが、「コース自体には問題はないものの、コースターに予備車両がなく、新規調達にはかなりの時間や費用がかかってしまうため営業終了となりました。
再オープンする「レジーナⅡ」
新しい車両は、24人乗り(1編成 2人×12輌)となり、以前の車両(1編成 4人×7輌)に比べ、連結部が増えたことでより滑らかな走行が可能となっています。
製造は米国GCI社(アメリカで人気のメーカー)で、従来の車両と比べ、デザインがスタイリッシュになっているほか、座り心地もよく広めに感じる設計になっています。特筆すべきは音の静かさで、「何回でも乗りたくなる」乗り心地を実現しています。走路に関しても、何層もの木の素材を新しいものに交換していますので、それも静かさに寄与しています。
また、ホームにはオートゲートを設置し、お客様を安全にお迎えするとともにスムーズなご案内を行います。
新しいレジーナの世界観は「スチームパンク」をテーマとしています。産業革命時のイギリスの工業デザインにSFの要素を組み合わせています。エントランスなどは、その世界観に基づいた演出を施しています。