フロリダ ウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートのEPCOTに、新アトラクション「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:コズミック・リワインド」が、2022年5月27日、オープンします。
贅沢な空間設計で“初”づくしのコースター
映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』をテーマにしたコースターアトラクションがEPCOTにオープン。
ウォルト・ディズニー・ワールド初のマーベルアトラクションですが、EPCOT初のコースターアトラクションでもあります。さらにコースターは、世界のディズニーパーク史上初の、後ろ向きに発進します。ライドが360度回転するオムニコースターもディズニー史上初。
初めて尽くしですが、そもそもなぜ『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のアトラクション建設地にEPCOTが選ばれたのか。その理由は、Qラインのストーリーでウォルトの映像まで使って説明されています。そこからは、映画とキャラクターをベースにした各地の文化を伝えていく新たなEPCOTの姿も伺えます。
世界でここにしかないパークに作られたアトラクションは、ストーリーもさることながら、贅沢な空間設計も広大な敷地があるウォルト・ディズニー・ワールドだからできるもの。ディズニー史上最長の屋内コースターとのこと。アトラクション入口からは植栽で隠されていますが、モノレールに乗ると「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:コズミック・リワインド」の建屋の大きさに驚かされます。スペースシップ・アース4個分という、広さの新たな単位まで登場しました。元々あった「ユニバース・オブ・エナジー」の建屋はQラインでしかなく、ローンチ部分がメインの建屋との接続部になっているのです。「エレンのエナジーアドベンチャー」も十分広いアトラクションだと思っていたのに、空間の贅沢さは他ディズニーリゾートの追随を許しません。
ディズニーの音楽コースターの新境地
香港ディズニーランドのハイパースペース・マウンテンやディズニー・カリフォルニア・アドベンチャーのインクレディコースターなど、近年のディズニーはコースターと音楽との組み合わせが非常に上手くなっています。
一方『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』といえば音楽で映画サントラに革命をもたらした作品。タワー・オブ・テラーをリニューアルした「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:ミッション・ブレイクアウト!」でも、音楽に合わせた落下で新たなフリーフォール体験を生み出し、タワー・オブ・テラーの落下のランダム性とも組み合わせた楽しみを作っています。
そんな中で『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』とコースターが組み合わさるのですから、音楽への期待は高まります。今回、イマジニアは100曲以上のリストを作成し、テストを通じてコースにマッチする楽曲を選んだそう。
選ばれた6曲がランダムで流れるのですが、ノリノリだったゆったりだったり曲調はけっこうバラバラ。音楽によってコースターの体感が変わってきます。もはやコースターと音楽のマッチ具合は大前提で、その先を行く音楽体験が待っています。屋内で視覚情報が少ないことも音楽の重要性を際立たせるのに役立っているでしょう。
ガーディアンズの世界に音楽で入り込む
音楽がランダムで曲により体験も変わってくるので何度も何度も乗りたくなります。しかし、暗い中で回転し、映像を見るので、酔うときは酔います。ただ、全く酔わずに何度でもループできる気持ちの時もあり、体調なのか音楽によるのかはよくわかりませんでした。
とはいえ、恐怖を煽るような演出や激しい急降下急旋回などはなく、“ファミリーコースター”と名乗るのも理解はできます。むしろ三半規管が強い子供の方が得意かもしれません。
屋内でコースターの動きに合わせた映像が展開される気持ち良さは「トロン:ライトサイクル・パワーラン」を思い出させます。それをしのぐ大きさで投影される映像では、ガーディアンズがセレスティアルズと戦っており、耳元では音楽が流れ、さながら映画の世界に入っているかのよう。『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のバトルシーンにサウンドトラックの一員として参加しているような感覚になります。
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』の鑑賞時に感じる面白さを気持ち良さをそのままフィジカルな体験に落とし込むテクニックはさすがディズニー。
新時代のアトラクション、新時代のEPCOTを感じさせるライドです。
取材協力:ディズニー・ディスティネーション・インターナショナル
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