フロリダ ウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートのEPCOTに、新アトラクション「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:コズミック・リワインド」が、2022年5月27日、オープンします。
どうしてEPCOTにマーベルのアトラクションが誕生したのか、アトラクションのストーリーをご紹介します。
EPCOT初の“異世界”パビリオン
「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:コズミック・リワインド」は、「ワンダー・オブ・ザンダー」というパビリオンが舞台となっています。「ワンダー・オブ・ザンダー」は、EPCOT初の“異世界”パビリオンです。映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』で最終決戦が行われた惑星、ザンダー星のパビリオンとなっています。
EPCOTは元々フューチャー・ワールドとワールド・ショーケースで構成されていました。現在はEPCOTリニューアルに伴ってフューチャー・ワールドが3分割され、ワールド・セレブレーション、ワールド・ネイチャー、ワールド・ディスカバリーになり、計4エリアとなっています。「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:コズミック・リワインド」が作られたのはその中のワールド・ディスカバリーです。
ワールド・ショーケースでは、アメリカや日本など世界の国々のパビリオンが並んでおり、各パビリオンではその国の文化や食事が体験できるアトラクションやレストラン、ショップが入っています。「ワンダー・オブ・ザンダー」は、各国がパビリオンを出したように、ザンダー星がパビリオンを出展したという設定です。
宇宙や近未来感のあるフューチャー・ワールドとその土地の文化を紹介するワールド・ショーケースの要素を組み合わせたストーリーで、EPCOTのアトラクションとしての立ち位置を作っています。
ザンダー星について学べるQライン
ギャラクサリウム
アトラクションに入ると、まず現れる部屋が「ギャラクサリウム」。テラ(地球)とザンダー星をつなぐ銀河系の不思議を紹介するプラネタリウム風の大空間です。ザンダー星人がナレーターを務め、ゲストを包む驚きの光景を説明します。
ザンダーギャラリー
続いて、模型や映像を用いてザンダー星人、その文化、歴史、そしてザンダー星の英雄たちについて学ぶことができます。
ザンダー星の都市や宇宙船の模型や服も展示され、映画を観ても知らなかったザンダー星の文化が伝わってきます。
なぜEPCOTにザンダー星が来たのか
そもそも、なぜザンダー星の人々は、アンドロメダ銀河の故郷からはるばるテラ(地球)のEPCOTに来て「ワンダー・オブ・ザンダー」を作ったのでしょうか。
ザンダー星は、高度な科学で、広大な距離を素早く移動できる人工的なトンネル「ジャンプポイント」を作る技術を持っています。この技術で、平和と調和の理想を掲げた宇宙横断の旅を始めようとしています。
この技術を知ってもらい、ザンダーの文化を伝えるための施設を作ろうと考えたザンダー星人。そこでEPCOTを推薦したのが、スター・ロードことピーター・クイルでした。
ピーター・クイルは、幼少期、まだ母が存命で地球に住んでいた頃、EPCOTを訪れたことがありました。その楽しさに魅了された彼は、ザンダー星にEPCOTへの出展を勧めたのです。
ザンダーギャラリーでは、地球との繋がりについても展示されており、ウォルト・ディズニーが実験的未来都市としてのEPCOTを発表したフロリダ・プロジェクトの映像も使われています。
「グッドモーニング・ザンダー」という番組の映像では、ピーターとガモーラにインタビューしている様子が上映されています。この中でピーターはEPCOTが最高だったという思い出を語り今はなき「ホライゾン」を挙げます。さらに、このアトラクション建設のためにクローズした「ユニバース・オブ・エナジー」、そして「ベジ・ベジ・フルーツ・フルーツ」と伝説的アトラクション「キッチン・カバレット」をもちろん一番だと語ります。どれも今はないアトラクションですが…
パビリオンの目玉は宇宙へワープ
プレショー部分では、ザンダー星を護るノヴァ軍の司令官ノヴァ・プライムが映像で登場。
続いては、「ワンダー・オブ・ザンダー」パビリオンの目玉となる「フェイズ・チェンバー」です。ここでは、ジャンプポイントを作るコズミック・ジェネレーターについて学び、実際にEPCOTから地球を周回するスターチャーター号に瞬間移動します。
セレスティアルズが出現し急展開
ゲストは宇宙に浮かぶスターチャーター号に移動。ここまではパビリオン体験の予定通りでしたが…
突然コズミック・ジェネレーターが消失。緊急事態を受け、ノヴァ・プライムは上官のタル・マレックに、すぐにガーディアンズ・オブ・ギャラクシーに連絡を取り、協力を要請するよう命じます。
ガーディアンズのメンバーが現場に到着すると、船外に巨大な姿が。『エターナルズ』にも登場した天界人、セレスティアルズが現れます。セレスティアルズのエソンがコズミック・ジェネレーターを奪っていたのです。
10億年ほど地球を見続けてきたエソンは、コズミック・ジェネレーターを使って時間の開始点にジャンプし、宇宙全体の成り立ちを変えようとしています。ジャンプポイントを作って時間の開始点に向かったエソン。
ロケットは、スターチャーター号から発進する小型脱出シャトル「スタージャンパー」に乗り込み、ジャンプポイントに突入してエソンを追跡すると立案。そして、銀河系を救う任務に同行するようゲストに呼びかけます。ドラックスは冷静に、ゲストがエソンを止められなければ絶望的だと指摘します。
宇宙にジャンプし世界を救え
いよいよスタージャンパーに乗り込み、ライドがスタート。ゲストが乗ったスタージャンパーは、ガーディアンズのメンバーに見守られながらジャンプポイントを通過し、セレスティアルズの元へ。ガーディアンズもミラノ号で駆けつけます。
コズミック・ジェネレーターを奪おうとすると、衝撃で吹き飛ばされ、スタージャンパーは後ろ向きに急発進。音楽も流れ出し、宇宙を駆け巡ります。
ガーディアンズとセレスティアルズの戦いに巻き込まれながら、宇宙を駆け巡り、いくつものジャンプポイントを通過。ヨンドゥは『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』で哺乳類は50回しかジャンプに耐えられないと言っていましたが、ゲストはこの目まぐるしい戦いに耐えられるでしょうか。
音楽は6曲
ライド中に流れる音楽はランダムで流れます。選曲はもちろん、70〜80年代のポップミュージックです。
ディズニーのイマジニアは、このアトラクションのために100曲以上の候補リストを作成。仮想テストを通じて実際の乗り心地を確認し、どの曲がコースターの動きとスピリットに最もマッチするかを確かめ、最終的にオリジナルのクラシックバージョンで6曲を選びました。
セプテンバー
ディスコ・インフェルノ
コンガ
ルール・ザ・ワールド
アイ・ラン
どうせ恋だから
取材協力:ディズニー・ディスティネーション・インターナショナル
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