2015年9月に国連サミットにて採択された持続可能な開発目標(SDGs)。
SDGsとは、持続可能(サステナブル)で多様性(性別・年齢・国籍・企業or個人を問わない者が参加)と包摂性(誰一人取り残さない)のある社会の実現のため、2030年を年限とする17の国際目標のことです。
この連載は「サステナブルな遊園地・テーマパークを夢見て」と題し、遊園地・テーマパークが未来へ向けてどのような取り組みを実践しているか、そして、遊園地・テーマパークが目指す未来について探ります。
第1回は「プラスチック循環社会編」と題して、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンにおけるサステナブルな取り組みをご紹介します。
プラスチック循環社会を実践するテーマパーク
ユニバーサル・スタジオ・ジャパンは「Green is Universal」というグローバル・スローガンの下に、エンターテイメントのリーディング・カンパニーとしてサステナブルな社会の実現にむけ、省エネルギーやリサイクルといった環境を重視したライフスタイルの啓発など、多岐にわたり取り組むことを目標に掲げ、実行しています。
パークのオフィシャル・コーポレート・マーケティング・パートナーである日本コカ・コーラ株式会社、コカ・コーラ ボトラーズジャパン株式会社はパーク内で回収されたコカ・コーラ社のPETボトルの再利用を行なっております。
プラスチック製品は国内で年間978万トン使用されており、全体の6%となる58.7万トンがPETボトルにて使用されています。国内では国内消費分の98%が回収されており、そのうち85%がリサイクルされ活用されており、世界中のリサイクル率と比較しても高水準を維持しています。このように正しく回収され、リサイクルされれば環境にとても優しい循環資源となります。
ユニバーサル・スタジオ・ジャパンはパーク内で生まれたコカ・コーラ社の使用済みPETボトルからオリジナルデザインのエコバッグを製作。2本のPETボトルが1つのエコバックになりました。
このエコバッグは、大阪市の協力のもと、大阪市内の小学生たちへ2020年10月初旬より順次配布(合計2万枚程度)され、加えて、2020年11月7日(土)、8日(日)での2日間の開催を予定している「咲洲こどもEXPO2020」でも配布を予定しているとのことです。
テーマパークらしくサステナブルを学ぶ
ここまでの取り組みですと「大企業が共同で実施するサステナブルへの取り組み」、で終わってしまいますが、テーマパークの枠を超え、エンターテイメントの持つ可能性を最大限に生かした社会貢献を推進し、持続可能な社会づくりを目指すユニバーサル・スタジオ・ジャパンらしい取り組みが行われました。
2020年9月24日(木)、リサイクル啓発イベント「ユニバーサル・スタジオ・ジャパンxコカ・コーラ リサイクルStudy Togetherイベント」をパーク内にて実施。
このイベントでは、子供をはじめとする30名ほどのパークファンもリモート参加。トークやクイズでリサイクルについて学びました。
続いて、PETボトルのリサイクル過程をパークの人気キャラクターやエンターテイナーたちの歌や踊りで、エンターテイメント色豊かに表現。
環境省「みんなで減らそうレジ袋チャレンジ」活動のテーマソング『幸せなら手を叩こう』をパークオリジナルバージョンエンターテイメント・ショーでは、PETボトルをマラカスに見立て、みんなで手を叩きながら、リサイクルについて学びました。
2曲目はパーク10周年記念ソング「Dreams are Universal」にのせたエンターテイメント・ショーをお届け。ユニバーサル・スタジオ・ジャパンとコカ・コーラ社のPETボトルに対する取り組みを生歌と共に披露しました。
ステージ中央にはリサイクルボックスに見立てたトラッシュカン(ゴミ箱)のセットが登場し、スクリーンにはリサイクルの過程をアニメで紹介。トラッシュカンへエンターテイナーが手にしたPETボトルを入れていきます。
ショーの最後には、PETボトルを入れたトラッシュカンを左右に開くとエコバックが出てくるという仕掛けが。
テーマパークのエンターテイメントらしい音楽と演出でサステナブルな未来を学ぶことができるイベントとなりました。
このエンターテイメント・ショーを多くのゲストが鑑賞できる機会が生まれ、サステナブルな社会へ向けた取り組みが広がることを願っています。