ジブリパークは、新エリア「もののけの里」を、2023年11月1日(水)にオープンしました。
既存の里山的風景から連続した世界観作り
「もののけの里」は、愛・地球博記念公園で以前から活動している「あいちサトラボ」に隣接する場所にオープンしました。『もののけ姫』をモチーフに、和風の里山的風景をイメージしたエリアです。
ジブリパークは、第1期開業エリアから、元々の公園を壊さず共存させる形でパーク作りを行ってきました。もののけの里では、公園との調和がより強く意識されています。
「あいちサトラボ」に隣接し、一見エリアの境がわからないような、連続した世界観が作られています。
実際の畑作業も行われているあいちサトラボの隣で、もののけの里でも植物を栽培。開業時は棚状の畑に陸稲(りくとう)を栽培しています。今後も米や麦などを栽培する予定で、あいちサトラボから連続する里山的風景を構成しています。
散策を楽しむパーク
エリア内では、案内板や看板が少ないのも特徴です。ジブリパークの各エリアでも、他パークに比べて案内板が少なくなっていますが、もののけの里ではあえて迷子にさせるための案内板の少なさというより、広い緑の道をのんびり散策するような光景です。開けた空間で案内板がなくとも各施設を見渡せます。
歩道も整備されていますが、歩道と歩道の間に石の小道が敷かれていたり、芝生も一部は柵がなく歩けるようになっていたり、ふらふらと自由に散策できます。土や草花を感じながら歩けるエリアです。
もはやジブリパークでは当たり前にすら感じますが、エリア内にBGMなどはありません。代わりに本物の虫の声が聞こえてくることもあります。
自分の足で探さないと見つからないような場所に炭焼き小屋がひっそり佇んでいるように、散策に重きが置かれています。もちろん、スタッフに声をかければ、トイレの場所などきちんと教えてもらえます。
公園の計画を実現させるこれからのテーマパーク体験
もののけの里の中核となるのが、『もののけ姫』の舞台を元にした「タタラ場」です。タタラ場と炭焼き小屋は、あいちサトラボの当初の拡張計画にあった体験学習施設。ジブリパークがあいちサトラボの計画を実現させました。
タタラ場では、五平餅の炭火焼体験ができます。炭焼き小屋は、体験活動などの予定はないものの、実際に炭を焼くことができる施設です。
テーマパーク的な集客要素を導入することで、公園として目指していたあいちサトラボの計画を実現させていく姿は、世の中がテーマ化されていく現代における一つの文化活用方法をも見せてくれています。
ジブリパークとしての一体感
エリアに入って大きく目立つのは、『もののけ姫』のキャラクターをモチーフにしたオブジェや物見やぐらが並ぶエリアです。
乙事主は子供なら内部に入れ、はしごやネットを登って滑り台で遊ぶことができます。公園らしい施設です。
タタリ神はオブジェですが、アニメーションをリアルに再現したわけではなく、タイルで作られています。ジブリの大倉庫の階段を思わせるタイル。また、休憩処も元々「サツキとメイの家」の隣に建てられた管理棟を移築したもので、ジブリパーク各エリアとの一体性も感じさせます。
チケットは、オープン当初はジブリの大倉庫ともののけの里のセット券のみ販売されます。ジブリの大倉庫にプラス500円でもののけの里に入れる価格設定です。