東京コミコン2023が、幕張メッセにて、2023年12月8日(金)~12月10日(日)の期間、開催されました。特設リングステージでは「“7代目タイガーマスク”武尊&“佐山サトルの長男”佐山聖斗トークショー」が、12月10日(日)に行われました。
アマチュア時代はドラゴンボールを見て試合へ
元K-1ファイターにして“初代タイガーマスク”佐山サトルから任命された“7代目タイガーマスク”武尊と、佐山サトルの長男にして一般社団法人7代目タイガーマスク・プロジェクト代表理事の佐山聖斗が東京コミコンでスペシャルトークショーを開催。
声優・ナレーターの木村匡也さんの司会進行の下、最初に武尊さんが登壇。コミコンには初来場だという武尊さんは、たくさんのコスプレゲストに驚いている様子。コスプレに関連して「ドラゴンボール」は幼い頃から好きだと語り、アマチュアの頃は試合前に「ドラゴンボール」のアニメを見て、強くなった気持ちで試合に向かっていたと明かしました。
映画については、アクションが好きということで最近は『ミッション:インポッシブル』を見たとのこと。トム・クルーズ演じる主人公イーサン・ハントのバトルシーンのキレが、プロの格闘家目線で見てもすごいそうで、60歳を超えてもスタントマンなしで演技している姿勢に驚いていました。
引退後はハリウッドを目指したい
自身が出演した映画『HiGH&LOW THE MOVIE 2 / END OF SKY』でのエピソードも披露。武尊さんは、この撮影の際に初めてアクションをきちんと習ったそう。「格闘技はどれだけ小さい動きで強い攻撃を出すかなのに対し、アクションはどれだけ大きく見せて相手に当てないようにするという真逆の動作」と難しさを語りました。
アクションも面白かったそうで、「引退後はハリウッドを目指してアクションをやりたいです」と語り会場を沸かせました。
最後は自分がやりたい試合をやりたい
翌月にロッタンとの試合を予定している武尊さん。K-1時代について、当時は自分がK-1を背負っており、ベルトを守る試合が多くてチャレンジする試合ができていなかったと振り返ります。
世界で戦うようになってからは、世界で自分の強さを見せられるという新しいモチベーションができたそう「きついですけれど充実しています」と現在の心境を語りました。
選手寿命も多くは残されていないとし、「最後は自分がやりたい試合をやりたい」と語る武尊さん。格闘技をやっているからには世界一の団体で世界一の選手とやりたいという中で、ロッタンは生半可な気持ちではできる相手ではないとし「人生の体力ゲージの残り全てを使うつもりで挑む」と意気込みました。
ABEMAとの、最低1億円というファイトマネーも話題になりましたが、格闘技は音楽や野球、映画と比べても夢やパワーをもらえるものだと思っているとし、業界をもっと大きくして世界に知ってもらうため、夢のある業界にしていきたいと思って異例のファイトマネー公表をしたと語りました。
タイガーマスクが僕のヒーローだった
続いて、佐山聖斗さんが登壇しました。
武尊さんは初代タイガーマスクの全試合のDVDを持っているほどのファンだそうで、聖斗さんから紹介されてサトルさんに会う機会があり、その時に7代目に指名していただいたと説明。
タイガーマスクといってもプロレスラーではなく、子供たちへの寄付や海外の恵まれない子供たちへのサポートを活動をもっと拡大していきたいということで7代目タイガーマスクを襲名したと、初代タイガーマスクのサトルさんが孤児院や児童養護施設の支援をしていたこととの繋がりを語りました。
佐山さんは、武尊さんの7代目襲名について「佐山家としてもありがたく思っています」と語り、父サトルさんは武尊さんの次の試合の話をすると「俺も見に行こうかな」と言うそうで、若い格闘家でこんなに好きになることはない、とても気に入っているんだと思うと、佐山家からの圧倒的な信頼を見せました。
武尊さんは、タイガーマスクについて「僕が一番最初に強さの憧れを抱いたのは、ウルトラマンや仮面ライダーではなくプロレスラーで、その中のタイガーマスクが僕のヒーローだった」と幼少期からの憧れだったそう。
「サトルさんは、僕らが今やっている格闘技の根本を作った人なので、こういう方がいなかったら、多分格闘技ブームはやってこなかったと思うので、そんな方に褒めてもらえるのはすごく嬉しいことです。7代目を襲名させていただいたので、余計に試合で負けられなくなりました」と、現在の心境も交えて語りました。
タイガーマスクプロジェクトへ賛同を募る
武尊さんと佐山さんの活動「7代目タイガーマスクプロジェクト」について、児童養護施設など現場の声を聞きに行って、何ができるかを武尊さんと相談していると説明。
児童養護施設の直近の課題は「18歳の壁」だそうで、来年改正されて延長できるようになるものの、18歳になると施設を出なくてはならないというルールを挙げ、目先の課題は「18歳の壁」への自立支援だと語りました。
武尊さんは、海外に行った時に貧しい子供の現状を見て、少しのお金でも救える命があることを知ったそう。自分が格闘技でお金を稼げるようになった中で「学校に行けなくて仕事がなくて貧困が連鎖していく」という状況を変えるため、1人でも多くの子供たちに勉強ができる環境を作りたいと活動をしています。
既に、ベトナムのランビンに学校を1校建てており、タイガーマスクプロジェクトとしてもこの活動を大きくしていきたいと展望。具体的には、来年ラオスにも1校建てる予定だと説明しました。
そして、タイガーマスク基金を作って、基金のお金も建設費用にプラスしたいと語り、コミコン会場にもタイガーマスク基金の募金箱やチャリティグッズも用意し、集まった観客にも協力を求めて、会場からの拍手が送られました。
タイガーマスクは“努力すればヒーローになれる”
最後に、武尊さんは格闘家として世界で活躍して格闘技で成功して知名度や発言する重みも増すことで、タイガーマスクプロジェクトの活動に繋げられると、自身の役割を説明。
まずはロッタン・ジットムアンノン選手との試合で必ず勝って、タイガーマスクの活動に力を加えていきたいので是非応援していただきたいと呼びかけました。
佐山さんは、タイガーマスクは現実に存在する選手がヒーローになるという、努力すればヒーローになれる点が重要だと語りました。そして直近の活動について、クリスマスに向けて世界最大の奉仕団体であるライオンズクラブとのプロジェクトを進めていると明かし、“タイガーとライオン”の企画を予告しました。