すみだ水族館は、旧「立花中学校」の解体工事から救出・保護したメダカを、新設された「墨田区立吾嬬立花中学校の池へ、2022年9月10日(土)に放流しました。
解体予定の校舎からメダカを保護
すみだ水族館は、「メダカの学校」プロジェクトを、2022年7月1日(金)より始動しています。この取り組みは、2021年11月に、旧立花中学校の卒業生より「解体予定の校舎の池にメダカがいるので保護してほしい」と墨田区へ情報提供がなされたことからスタート。校舎の池にいたメダカ224匹を捕獲し、すみだ水族館へ保護し、すみだ水族館による小中学校での授業を実施し、プロジェクトを始動しました。
保護メダカを中学校の池で飼育へ
旧立花中学校のメダカは、導入経緯を聴き取り調査の結果、約10年前に旧中川から導入されたことが明らかになりました。さらに遺伝子調査を行なった結果、遺伝的攪乱が起こったメダカと確認され、自然の川に戻すことができないと判断。人工的な環境で飼育することとなりました。
すみだ水族館で保護していたメダカは、吾嬬立花中学校の池で飼育することとなり、中学校および隣接する中川小学校の生徒が育てていきます。
愛称は「泳ぐ宝石メダカのあずちゃん」
メダカの愛称は、吾嬬立花中学校の一年生が考えた候補の中から投票により、「泳ぐ宝石メダカのあずちゃん」に決定しました。解体される校舎にメダカがいることを墨田区に情報提供した、同校の卒業生である蛭田 空良(ひるた そら)さんは、愛称の発表を受け、「これから後輩にも、いのちを大切にするという想いをつないでいってほしい」と思いを語りました。
メダカ放流会を開催
メダカを新校舎に迎えるにあたり、吾嬬立花中学校では、「メダカ飼育部」を設立し、10名の生徒が部員となりました。すみだ水族館では、8月3日(水)にメダカ飼育部と、池の壁面を装飾するアート部の生徒を水族館に招待してメダカを間近で観察。飼育スタッフから、いきもののいのちを預かるうえで大切にしてほしいことを伝えられました。また、メダカが暮らす新校舎の池の水質検査など、環境整備を行いました。
そして、9月10日(土)には、メダカ放流会を開催。吾嬬立花中学校の1年生と中川小学校の5年生、合計28名が参加し、池にメダカを放流しました。
放流会の後、すみだ水族館の飼育スタッフが、生徒たちに具体的な飼育方法についての授業を行いました。生徒からは「メダカを大切に育てていきたい」という声が聞かれました。生徒と一緒にメダカの放流を行った山本亨 墨田区長は、「メダカの学校でできたつながりを大切に、優しいこころをもって育ててほしい」と今回のプロジェクトへの思いを寄せました。