サンシャイン水族館では、コツメカワウソの赤ちゃんが、2021年2月1日(月)誕生しました。
赤ちゃん3頭の名前を決める「コツメカワウソの赤ちゃんの名前募集」を行い、名前が「てまり」「ひまり」「あいり」に決定しました。
サンシャイン水族館では、1987年からカワウソの飼育をはじめ、現在は「カワウソの水辺」水槽及びバックヤードにて、計11頭のコツメカワウソを飼育しています。
2021年2月1日(月)、コツメカワウソの夫婦「マハロ」と「ラジャ」に3頭の赤ちゃんが誕生。
出産後は親子の環境を整えることを優先し、活発に動くようになり離乳をした3ヶ月頃から名前を検討しました。
名前公募を経て「てまり」「ひまり」「あいり」に決定しました。
3姉妹の名前の由来
てまり
人懐っこい性格をそのままに、たくさんの人を笑顔にさせる存在になってほしいという気持ちを込めて。
ひまり
ひだまりや太陽、ひまわりなどのような明るい、希望を与えてくれる存在になってほしいという気持ちを込めて。
あいり
一番小さく、たくさんの愛を受けて育ってほしいという願いを込めて。
赤ちゃん成長記
カワウソは、小型犬くらいの体のサイズで、容姿がかわいらしいため、容易に飼えると思われがちですが、飼育は非常に難しいです。
飼育されている生き物には飼育下でしか知り得ない情報・発見があり、水族館にはそれを伝える使命があります。
そこで、飼育員による3姉妹の成長の様子がレポートされています。
両親協力しての仔育て
設置したカメラの映像や日々の観察などから、コツメカワウソは両親で子育てをする様子が確認できました。母カワウソは授乳と子の排便を促す行動が終始見られました。
一方、父カワウソは、子を守り、排便を促し、安全な場所に移動したり、毛布をかけてあげたりなど、思いやりのある育児行動をいくつも確認することができました。
母カワウソによるバランスのいい授乳
子は3頭ともメスで、どの子も成長に大きな差がなく、母カワウソのバランスのよい育児の結果ではないかと考えています。
母カワウソが、授乳の順番をコントロールしたり、授乳を促す行動を観察することができました。
鳴き声による家族コミュニケーション
コツメカワウソが鳴き声でコミュニケーションを取る場面はこれまでも確認できていましたが、育児をしている時は、より明確なボイスコミュニケーションを取っているように感じられました。
今回、飼育スタッフが聞き取れた鳴き声は、親が子に注意を促しているような「キューキュー」、甘えた感じに子が鳴く「クゥクゥ」など少なくとも5種類はありました。
“赤ちゃん” の時期はあっという間
生後3ヵ月を過ぎると、より子ども達が活発に動けるようになり、体重も1㎏を越え、同時に離乳をすることもわかりました。
今は完全に離乳し、ニジマスやワカサギを食べています。
5/26は世界カワウソの日
毎年5月の最終水曜日はInternational Otter Survival Fundにより「World Otter Day(世界カワウソの日)」とされ、世界のカワウソの現状を知ってもらい、保全へと繋げるよう、世界中で様々なイベントが行われています。
日本は最大の密輸先とされ、密輸では生まれたてのカワウソが劣悪な環境の中で運び込まれるため、大半はその輸送中に死んでしまうという現状がありました。
2019年にはワシントン条約の改正で、無償、個人・事業者を問わず、商取引が禁止となり、ペットに限らず新規の移動や販売することは原則禁止となりました。
他にも環境悪化など、生息数を減らしている要因は多々あり、なぜカワウソを取り巻く環境は悪化したのか?彼らの生息する環境を脅かさない、壊さないために、私たちは何ができるのか?このようなことにぜひ関心を持つことが大事になっています。
サンシャイン水族館では、カワウソの「かわいらしさ」というキャッチーな魅力を活かし、もう一歩踏み込んでもらうための情報発信を続けており、サンシャイン水族館の飼育しているコツメカワウソが、この問題を考えるきっかけ、最初の一歩となることを目指します。
サンシャイン水族館では、世界カワウソの日に合わせてカワウソが置かれている厳しい現実も伝えるイベントを実施します。