蜷川実花展 Eternity in a Moment 瞬きの中の永遠が、虎ノ門ヒルズ TOKYO NODEにて、2023年12月5日(火)〜2024年2月25日(日)の期間、開催されています。
都心で蜷川実花の世界に入り込む大展覧会
虎ノ門ヒルズ ステーションタワーにオープンした「TOKYO NODE」。開館記念企画の第2弾として、写真家・映画監督の蜷川実花が率いるクリエイティブチーム EiM(エイム)による体験型展覧会 「蜷川実花展 Eternity in a Moment 瞬きの中の永遠」が開催されています。
開館記念企画の第1弾は「Syn: 身体感覚の新たな地平」が行われましたが、A~Cのギャラリー空間を「Syn」とは全く異なる形で使用し、新たな空間に仕上げています。
都心に誕生した「情報発信拠点」としてテクノロジーとアートを生み広げていくTOKYO NODE。ギャラリーで展開されている開業記念企画では、都心でのアート展開の新たな可能性を示すと同時に、巡回不可能な作品表現を行うことで巨大なギャラリーが単なる箱ではなく多様な手法で活用できることも示しているようです。第2弾では、入り口すら「Syn」とは異なり、ギャラリー中央から入場していきます。
蜷川実花史上最大規模の体験型展覧会では、コロナ禍で価値観が大きく揺らいだ後の世界が表現されています。入り口から、パンデミックを表現した真っ暗な空間を進み、停滞と再生を示す自然が現れていきます。
映像インスタレーションでは、2層の映像で都会の街を映し出します。蜷川実花がモチーフにする金魚を使いながら、静と動の揺らぎに心が揺らいでいきます。
移動の廊下に出ると、虎ノ門ヒルズ上層階からの東京の街並みが見え、その前には蜷川実花が撮影した花々が重なります。それまで映像で見てきた都会と花々の静と動が、本物の東京の街並みを背景に展開されます。
ギャラリーAへ戻るような順路で移動し、包まれるようなマッピング空間で、映像を鑑賞。静と動の対比と呼応するように金魚と街並みが映し出されれ、金魚のモチーフの変容を感じられ、我々が住む社会の構図がコロナ禍を経て改めて思い知らされます。
蜷川実花にとって過去最大級となる展覧会の中でも最も大きな空間となる花園。造花ですが、ライティングとフレグランスで本物の花園にいるような体験ができます。花々の中には蝶がとまっていたり水滴がついていたり、自然をリアルに再現。
フォトスポットのような空間では、夜景やネオンの前にある花々を表現。都会と自然との融合を見せてくれます。
映像展示では、人工の花壇や公園に植えられた花々が撮られている様子を映しています。TOKYO NODEと重なるようなタイミングでオープンした麻布台ヒルズが緑化に力を入れているように、都会の中で人工的に作られた自然空間を意識させます。
クッションに寝転びながら映像を鑑賞したり、スクリーンの間を歩いて行ったり、自分自身が溶け込んでいくような展示。
桜、水、光をテーマにした空間は、歩いていき、スクリーンに自分の影が写ることで、自然における人工の花々という空間において自分もその一員なのだと実感させられます。
展覧会を出ると、グッズも販売中。そして、虎ノ門ヒルズの上層階から東京の景色が見えます。皇居や日比谷公園といった、東京都心の中に残る自然空間が見え、これまで体験してきた街と自然の感覚を得た新たな視点を持って、東京の街中に戻っていきます。
蜷川実花展 Eternity in a Moment 瞬きの中の永遠
会期:2023年12月5日(火)〜2024年2月25日(日)
会場:虎ノ門ヒルズ ステーションタワー 45F TOKYO NODE GALLERY A/B/C