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土田英生 25年演じ継がれる会話劇「燕のいる駅-」新脚本・和田雅成主演で新版を公演

2023年9月30日 あとなび

舞台「燕のいる駅-ツバメノイルエキ-」が、東京・紀伊國屋ホールで2023年9月23日(土)~10月8日(日)の期間、大阪・松下IMPホールで2023年10月14日(土)に公演されます。

25年前の名作を自身がブラッシュアップ

土田英生(MONO)が書いた戯曲『燕のいる駅』は、1997年に京都にて初演。“世界の終わり”という、思いがけない現実に直面した人々が交わすさりげない会話、その奥底に潜む心情がリアルに浮かび上がります。普遍的なテーマ性が高く評価され、その後様々な劇団・プロデュースにより繰り返し上演されてきました。2005年には宮田慶子演出、相葉雅紀主演で再演。2012年には土田英生自らが演出し、新たな改変を加えて決定版として上演されました。

今回、土田英生自身が大幅に脚本をブラッシュアップ。演出も手がけ、2023年ならではの『燕のいる駅-ツバメノイルエキ-』に挑みます。

土田さんは、25年前に書いた作品を「お客様に寄り添う余白が本当に多い作品で。お客様って、その日によって心のコンディションが違うと思うんですけど、どの様なお客様の心にに寄り添って、その日を頑張れる作品」と表現。これを現代に合うように意識をした上で、今回のキャストを想定して描き直したそう。と「舞台でのフィクションでの空気と、俳優さんが舞台上で醸し出す空気というのが割と調和しているというか、この空気をお客様にも一緒に体験していただきたい」とアピールしました。

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座長・和田雅成は「気遣いの素晴らしい方」

主役の「日本村四番」駅の駅員・高島啓治役に、舞台『刀剣乱舞』シリーズや『おそ松さん on STAGE』シリーズをはじめ、ドラマや映画でも人気沸騰中の和田雅成。また駅に集う人々に、高月彩良、小沢道成、奥村佳恵、佐藤永典、尾方宣久、久保田磨希と個性あふれる実力派を揃え、この独特な劇世界を鮮やかに描き出します。

座長の和田さんについて聞かれた久保田さんは、「舞台上で演じる上でも、普段の演技以外の所でも本当に細かく気遣える人で、舞台上の全てを俯瞰で見ることができて、自分で自分の芝居もちゃんと見る事が出来て、凄い人に出会ったなと。なんか‟お母さん”みたい。でもここにきてチョイチョイ“ブラック和田”が出てきたのでそれを楽しんでいます」とコメント、高月さんも同調し「気遣いの素晴らしい方で。例えば稽古場で誰かがボケた時に必ず、誰も傷つけずに拾ってツッコんで、ということをずっとして下さって、わざと皆がボケたりだとか、自然なお笑いが生まれて温かい空気を作って下さって、和田さんのお陰だなと思っています」と感謝しました。

土田さんは、演出家の視点からコメント。「配慮が分からないようにやってくれていて。何かこちらから要望を出すときって、演出家って嫌なんですね。俳優がイヤな気持ちになっているんじゃないかな…とか。そういう空気には一切ならなかったですし、(演出的に)ちょっと難しい所になった時に一番返事がデカいです。『いや、違うんじゃないですか』ってなったら空気が悪くなっちゃうので、そういうときは急に『はい!分かりました。OKです!』と素晴らしい座長でした」と座長を称賛しました。

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毎日毎日ブラッシュアップして生きていけたら

会話劇に初挑戦という高月さんは「まず喋ることから一から学ぶ事ばかりだったので、日常的な会話が繰り広げられているけど、舞台上での見せ方だったりとかを土田さんに沢山ご指導をいただいたので。友紀ちゃんは物事を達観している女性なので、一人ちょっと違うオーラを出せたら良いなという思いで日々稽古を重ねていました」と役作りについて振り返ります。

久保田さんは「私、公演のチラシにも(役柄が)人見知りの女性って書いてあるんですけど、“人見知らずの久保田磨希”でお馴染みですので、人見知りか~と日々考えておりました。そしたら今回はステージに立つのが本当に怖くてですね、緊張とは違ってアガッているというか。稽古中や場当たり中もオドオドし過ぎて過呼吸みたいになって台詞がポンと分からなくなるという体験をしてしまっているので、ゲネプロはもちろん、本番も毎回がすごく怖いんですね。(役者を)三十何年やっていて、え~っ?!というくらい不安なんですけど、その不安な気持ちを役に乗せてやれたら良いなと真剣に思っています」と意気込みを語りました。

和田さんは「土田さんの演出の中で、僕たちが役者人生の中で、今まで感じたことの無かったことを沢山言っていただけたんです。それに皆が楽しみつつ、苦しみつつという感じで、役作りというより芝居感に苦労したという感じです。なので本番でお客様がどの様な反応をするのか凄く楽しみです。高島は“のんびりさん”というあだ名を付けられる位に本当にのんびりしていて。僕は生きているテンポが割と早い人間なんですけど、一番最初に土田さんに『生きているテンポが速いんですけど、のんびりってどういうところ?』と相談したときに、今のテンポで良いからそういう所も意識しつつやっていこうという言葉をもらって。そこに苦労もしていたんですけど、忘れもしない9月18日の通し稽古を終えた後に土田さんが僕に『今日は紛れも無く高島だった』という言葉をくれたんです。それで凄く自信がついて舞台上で高島としてしっかり生きていけるんだなと思うので、毎日毎日ブラッシュアップして生きていけたら良いなと思います」と語りました。

あらすじ

のどかな春の日の午後、燕が巣を作る季節。

埋立地に位置する、テーマパークの最寄り駅「日本村四番」でのこと。

駅員と売店の女、その友達、電車に乗り遅れた会社員らが集っていた。

彼らのたわいもないやりとりは、ごく日常の一コマのようでおだやかな時間が流れている。

ただ、いつもと違うのは電車が一向に来ないこと。

他に人の気配がないこと。

そして空には奇妙な現象がおきていた……。

燕のいる駅-ツバメノイルエキ-
東京公演(紀伊國屋ホール):2023年9月23日(土)~10月8日(日)
大阪公演(松下IMPホール):2023年10月14日(土)
上演時間:約1時間45分(途中休憩無し)
料金:東京公演 9,000円、大阪公演 9,500円
出演者
高島啓治:和田雅成
下河辺友紀:高月彩良
ローレンコ三郎:小沢道成
戸村優香:奥村佳恵
荒井湊:佐藤永典
本多大和:尾方宣久(MONO)
佐々木芳美:久保田磨希
※記事の内容は取材時の情報です。掲載している情報が変更になっている場合があります。
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