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興福寺でも2度と見られない国宝7軀のみの贅沢空間 特別展「運慶」東京国立博物館で開催

2025年9月18日 あとなび

(左から)世親菩薩立像、弥勒如来坐像、無著菩薩立像 すべて奈良・興福寺蔵

東京国立博物館は、特別展「運慶 祈りの空間―興福寺北円堂」を、2025年9月9日(火)~11月30日(日)の期間、開催しています。

国宝7軀で鎌倉再建時の北円堂を再現

(左から)世親菩薩立像、弥勒如来坐像、無著菩薩立像  すべて国宝 運慶作 鎌倉時代・建暦2年(1212)頃  奈良・興福寺蔵 北円堂安置

東京国立博物館本館の特別5室で奈良・興福寺の鎌倉再建時の北円堂を再現。

鎌倉時代を代表する仏師・運慶晩年の傑作として知られている、本尊の弥勒如来坐像(みろくにょらいざぞう)と両脇に控える無著(むじゃく)・世親菩薩立像(せしんぼさつりゅうぞう)を一挙に展示。

北円堂は通常非公開ですが、修理完成を記念して弥勒如来坐像の約60年ぶりの寺外公開が決定したもの。展示室に北円堂を再現を再現し、弥勒如来坐像の立つ空間のサイズもほぼ正確なものとなっています。

さらに、鎌倉再建時に北円堂に安置されていた可能性の高い四天王立像も合わせて展示。興福寺でも二度と拝観できない、国宝7軀のみで構成された至高の空間が広がります。

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広報大使・高橋一生が語る

(左から)弥勒如来坐像、無著菩薩立像 すべて奈良・興福寺蔵

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本展は、弥勒如来坐像、無著・世親菩薩立像に加え、かつて北円堂に安置されていた可能性の高い四天王立像を一堂に展示し、鎌倉復興当時の北円堂内陣を再現する展覧会です。展示空間を楽しみにされていたという高橋さん。実際に会場に立たれていかがでしたか?

まだお客さんがいない朝に、この国宝7軀を前に立ってみて、非常に凝縮された美しい祈りの空間にいるなと。特等席で観させていただいて、あらためて広報大使に任命いただけましたことを心より幸福に思いました。すごく貴重な位置から国宝7軀を観させていただきました。とくに、弥勒如来坐像の光背がない状態は、ここでしか観ることができないと思います。後ろにまわると、弥勒如来坐像、無著・世親菩薩立像の背中越しの世界が見えて、まるで世界に向く“目線”すら感じられて、非常に印象的です。

“(左から)無著菩薩立像、弥勒如来坐像、世親菩薩立像  すべて国宝 運慶作 鎌倉時代・建暦2年(1212)頃  奈良・興福寺蔵 北円堂安置”

もちろん正面に立って、この3体と目が合うポイントも印象的ですが、なにより、背後から観たときの「弥勒如来坐蔵、無著・世親菩薩立像が世界を見ている目線」を感じました。非常に体験しがたい瞬間だったと思います。

本展の作品のなかでも高橋さんは《無著菩薩立像》と《世親菩薩立像》を楽しみにされていたと伺いました。実際にご覧になっていかがですか。

国宝 世親菩薩立像(部分) 運慶作 鎌倉時代・建暦2年(1212)頃 奈良・興福寺蔵 北円堂安置

想像以上でした。無著・世親菩薩立像は非常に“人に近い”と言いますか、他の弥勒如来坐像や四天王立像とも違い、玉眼も見ていただければと思います。仏の教えを人間の世に広めるために佇み、人に限りなく近い状態でいる2人の姿が印象的です。運慶一門が手掛けた像が凝縮された形で静かに座している空間を体感していただければと思います。また興福寺北円堂には、他のお像もあることから、今回の展示は興福寺で拝観するのとは異なる角度で観ることができます。展覧会の展示として強くこだわったこの向き・配置・凝縮さを意識して、無著と世親を感じてほしいと思います。なにより僕が興奮しています。

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運慶は日本を代表する仏師です。もし高橋さんが運慶を演じられるとしたら、どのように演じますか?

もしそのようなお話があれば、もっと深く“像”に触れて、いろいろなものを掘り下げていきたいですね。当時の混乱の時代に、人々の願いをその身でしっかりと受け止めて、それを像に昇華していく誠実さ・繊細さ・力強さのようなものは、必ず根底に置いておきたいなとは思いますね。宗教性などを超えた、なにかその普遍的な人間の心みたいなものが表現できるものに応えられたらいいなとも思っています。

本展の音声ガイドのナビゲーターも務められています。担当研究員の児島大輔さんとの対談トラックもあるそうですね。実際に収録をされて、いかがでしたか。

観覧する人たちの邪魔にならないような声の運びだったり、リズムというものを意識しました。

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展覧会に来場されるみなさんにメッセージをお願いします。

お寺の外で展示、公開されること自体が、とても貴重で、またとない機会だと思います。光背がない状態でお背中を見られたり、本来だったら同じ空間にいないお像が同じ空間で展示されています。まさに本来の場所でも体験できない、凝縮された濃密な空間を、ここで感じていただければと思います。お越しいただいた皆さんがそれぞれに、お像と祈りの空間に向き合っていただければなと思います。

※記事の内容は取材時の情報です。掲載している情報が変更になっている場合があります。
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