TVアニメ「オッドタクシー」の舞台化作品『舞台「オッドタクシー 金剛石(ダイヤモンド)は傷つかない」』の再演・東京公演が、2023年11月8日(水)~12日(日)・25日(土)・26日(日)に公演されています。
大ヒットアニメの前日譚
2021年4月、TV東京他での放送がなされ、大反響を巻き起こしたアニメ「オッドタクシー」。
監督・キャラクターデザインを木下麦が、「セトウツミ」の作者として知られ、映画「ブラック校則」の脚本も担当した漫画家の此元和津也が初めてアニメの脚本を担当した作品は、登場人物が全員擬人化された動物という、可愛らしさが漂うビジュアルとは裏腹に、一癖二癖どころではない登場キャラクターの人生や思惑を下地とした、サスペンス性の高いミステリー会話劇が随所で繰り広げられ、その複雑な内容と、人気声優やお笑い芸人、現役のラッパーといった多彩な顔ぶれによる声の演技により、瞬く間にその人気を拡大させました。
2022年4月には『映画 オッドタクシー イン・ザ・ウッズ』の公開がなされ、現在は新プロジェクト「RoOT / ルート オブ オッドタクシー」コミカライズが連載中の「オッドタクシー」は2022年7月に舞台化が発表。TVアニメの時系列から2年前となる2019年~を舞台に、メジャーデビューを目指すアイドルグループ「ミステリーキッス」の結成秘話を描く、アニメの前日譚となるエピソードは、アニメ同様に脚本に 此元氏を迎え、演出に舞台「宇宙戦艦ティラミス」シリーズやミュージカル「ヘタリア」シリーズで脚本・演出を手掛ける、オフィスインベーダー代表のなるせゆうせい氏が担当。
人気アイドルや女優を主役に据えた公演のチケットは全日程完売という期待度の高さを物語るも、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により残念ながら公演が中止に。しかし、反響の大きさに応える形で2023年1月に延期公演が実現し、好評の内に閉幕。そして、初演から一年も経たない2023年11月、ファン待望の再演が幕を開けました。
乃木坂46、AKB48から新キャストがオンステージ
再演にあたり、メインキャスト4名を初演から一新。
オーディションにて金剛石の原石であると山本に早々に言わしめ、誰もが認める圧倒的な可愛さと底知れぬ野心を持つセンター・二階堂ルイを演じるのは乃木坂46の3期生として活躍する伊藤理々杏。
多数の出番と台詞がある中、稽古の時から台本を持たずになるせ氏からも「座長として引っ張る気概を感じる」と、太鼓判を押された事を行天さんから囲み取材にて言及されるほど、リーダーとして奮闘する伊藤さんは、座長だと今知ったと謙遜。続投キャスト組に温かく迎えられ、皆で一緒に最後まで肩を並べて歩いて歩いていけたら良いな、と話します。
「ヤバッ」が口癖で自分に自信がなく、控えめな性格ながら、グループの為にライブ配信を始めたり、必死に他のメンバーに追いついていく市村しほを演じるのはAKB48チームKキャプテンである田口愛佳。
高名な落語家を父に持ち、自身も天性の才能を持つ次期センターとなりうる逸材の三矢ユキをAKB48チーム4のメンバー行天優莉奈が演じます。
そして、アイドルになりたいと大分より上京しミステリーキッスのオーディションに臨むも、4番目の順位となり落選、自分の欲求に正直で無邪気な性格が‟別の意味”で発揮される、物語の重要人物となる和田垣さくら役を、乃木坂46の4期生、佐藤璃果が務めます。
彼女達の脇を固める各役のキャストは半数以上が初演から続投。
ミステリーキッスをメジャーデビューへと導く為、東方蝉噪するマネージャーの山本役には千葉瑞己。
第一線を退いたものの、後輩の山本とミステリーキッスの為に再び奮起する音楽プロデューサーの丹羽哲弘役は牟田浩二。そして、ミステリアスさ全開のいで立ちと言動で、娘のさくらの為にメンバーに接触を図り、不可解な行動を取る和田垣母役には遠山景織子が臨む盤石の体制をとっています。
現役アイドルとアイドルデビューを目指す役の共感点
開幕前に行われた囲み取材では、メインキャスト4人全員が現役活躍中のアイドルである事から、劇中で演じる役と自身が似ている点が各キャストより話されました。
伊藤さんは「ルイちゃんほどではないですが、負けず嫌いな所があり、アイドルに対しての思いや熱意はルイちゃんと同じ気持ちを持っている役作りをしました」と、アイドル観を役と共有していると明かします。
それに続いて行天さんは「三矢さんはカリスマ性のある役。私は市村ちゃんが一番キャラクターが近く、自分に自信が無い凄くネガティブなタイプでファンの方に心配されるくらい。今回はその反対の役なので、『え~っ、そんなカリスマ性何処から出そう?』」と、自身と真逆の役を演じる難しさを感じている様子。
行天さんの言葉に対して田口さんは「しほちゃんとの共通点は多分『ヤバッ』の口癖くらい。自分に近しい登場キャラクターがあまりいない感じです」と、意外な答えが。
そして「さくらちゃんはアイドルになりたいという強い気持ちで夢を必死に叶えようとする人物。私はアイドルになりたくて、色んなオーディションを受けたので、さくらちゃんの姿を見てその気持ちは凄く分かるので、思いを役に乗せられるんです」と、自身のアイドルへの道のりが役とシンクロするという経験を存分に活かしたいという気持ちを話しました。
‟4人のメンバーによる”ミニライブも
本編終了後にはミステリーキッスのミニライブも。囲み取材に佐藤さんが「夢みたいでめっちゃ嬉しい」と語っていた、アニメ等では成しえなかった、さくらを加えた‟この舞台の世界線だけ”のカルテットのミステリーキッスが劇中曲をリプライズする形でフォーマンス。
一部シーンにおいては客席を巻き込んでの高い一体感の中、現役トップアイドルであるキャスト4人が繰り広げる約10分間の圧巻の歌唱とダンスが繰り広げられます。
公演期間
東京公演(シアター1010):2023年11月8日(水)~11月12日(日)
関東凱旋公演(海老名市文化会館 大ホール):2023年11月25日(土)・26日(日)
※11月15日(水)福岡公演、11月17日大阪公演は中止
上演時間:約2時間(本編約1時間50分+ミニライブ約10分/途中休憩無し)
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