舞台「かげきしょうしょ!!」が、こくみん共済coopホール(全労済ホール)/スペース・ゼロにて、2023年10月18日(水)〜10月22日(日)の期間、公演されています。
連載11年 人気スポ根漫画が満を持しての舞台化
斉木久美子氏による漫画「かげきしょうじょ!!」。2012年から連載が始まり、2021年7月~9月にはTVアニメ化も果たしました。連載開始から約11年で満を持しての舞台化です。
大正時代に創立され、未婚の女性だけで作り上げる美しく華やかな舞台で、世代を超えて人々の心を魅了する「紅華歌劇団」。その人材を育成する「紅華歌劇音楽学校」に、高い倍率をくぐり抜け入学してきた第100期生たち。
“オスカル様”に憧れる、スター性を秘めた天真爛漫な少女、渡辺さらさ。夢も友達も、すべてに無関心な元・国民的アイドル、奈良田愛。首席で合格した、根っからの紅華オタクの委員長、杉本紗和。元娘役の祖母と母に続いて入学した、プロ意識の高い努力家、星野薫。
抜群の歌唱力を持つが、自分に自信がない気弱な少女、山田彩子。双子揃っての入学を果たした、沢田千夏・千秋姉妹。
何もかもがバラバラな少女たちの、希望と葛藤に満ちた熱き音楽学校生活。
舞台初出演キャストも
公開ゲネプロの開始前には渡辺さらさ役の志田音々さん、奈良田愛役の二瓶有加さん、杉本紗和役の佐藤日向さん、山田彩子役の佐々木李子さんの4名が登壇しての囲み取材が行われました。
佐藤さんは「原作漫画があり、アニメがされ、遂に舞台化ということで、リアルで紅華歌劇音楽学校を体感出来るのはここスペース・ゼロだけなんじゃないかなと思う」とアピール。「初舞台の子とかもいますし、舞台に慣れていない子も居る中で、それが紅華歌劇音楽学校に入学したという初々しさに繋がっているんじゃないかなと思う」と、フレッシュなキャストの魅力を紹介しました。
初座長・志田音々は「ナチュラルボーン・さらさ」
初座長を務めるのは、『仮面ライダーギーツ』桜井沙羅(仮面ライダーハクビ)役などの志田音々。本人は「私は舞台が4年ぶり2回目で、知らないことばかりでしたし、座長として皆を引っ張っていこうと思っていたんですが、逆にみんなに支えられた」と初座長への緊張とカンパニーへの感謝を吐露。
それに対し、二瓶さんは志田さんのことを“ナチュラルボーン・さらさ”だと表現「音々ちゃん自身がさらさちゃんと似ているところがすごく多くて、音々ちゃん自身の明るさと、皆が疲れが溜まってきた中でも毎日、何時も明るい笑顔で稽古場に入ってくれる音々ちゃんに私は何時も救われていたので、そういう所で引っ張っていただいた、しっかりとした座長だなと感じています」と座長を絶賛。
一方の佐藤さんは「すごく変で面白い子」だと表現。「私は予科委員長の役なので、号令などをかけることが多い役なんですけども、私と同じタイミングで号令をかけたりするんですよ。(志田さんは)それが無意識なので、そういう所は滅茶苦茶さらさに似ているなと、私は思いながら一緒にやっていました」とエピソードを披露しました。
演じるキャラクターと共感する点
演じる志田音々について志田さんは「さらさちゃんの元気っぷりやパワーは計り知れず、さっきも演出のキムラさんに『まだまださらさの元気が足らない』と言われてしまった」と、役が持つパワーに完全には追いつけていない様子。難しかった点について、「さらさちゃんは歌舞伎が大好きな女の子で助六になりきるんですよ。そこが最初は恥ずかしかったんですが、今は払拭して皆に練習を付き合ってもらっています」と明かしました。
高い歌唱力を持ちながらも、自分に自信が持てない山田彩子役を演じるのは佐々木李子さん。TVアニメ版でも同役の声を演じており、舞台でも彩子と共感する部分が多く、歌が好きで内面的なところや最初は心を開くのが苦手で‟見守る側”にいるという部分が似ていると自己分析。
それに対して、二瓶有加さんは、演じる奈良田愛と自分の性格が一致するところが全然ないそう。稽古の中で、「今まで自分が人に見せてこなかった陰の部分を愛ちゃんの役でぶつけることができた」と振り返り、新たな一面を見せられる役なのではと期待を寄せました。
そして、杉本紗和役の佐藤日向さんは、自分があまり褒められない人生だったと振り返り、紗和は主席のため先生たちからできて当然と映ってしまっているところからのスタートである点が共感できると紹介。「今回私は自分で髪の毛を結んでいるので、紗和も髪を結んで心をピシッとしてから校門を通る、という様なルーティンがあったのかな…と思いながら。共感とはちょっと違うんですけど、リンクしているんじゃないかなと思える時間だったりします」と優秀者ならではの気持ちを吐露していました。
来場者へのメッセージ
渡辺さらさ役・志田音々
この一か月間、漫画やアニメを十分にリスペクトしつつ、舞台ならではの生きているキャラクターとして自分なりの感性を入れたりだったりとか、人間らしさを突き詰めてお稽古をしてきたので、それをこの舞台でも今日からふんだんに出せたらなと思っております。
いざ本番となったらどんな感じでお芝居が何時もの稽古通り出来るのだろうか…という不安もあるんですけれども、そのリアルな感情であったりも、舞台で乗せてお芝居をしていきたいので、それを見て下さる皆様と味わえたらと思います。是非、足を運んでいただけたらなと思います。
奈良田愛役・二瓶有加
漫画があり、アニメがあり、そして今回の舞台という事で、舞台でしか見せられない「かげきしょうじょ‼」というのがふんだんに詰められた作品だと思います。同じキャストが同じセリフを喋っても同じ様に進むことはなく、一度観ていただいたら「今度はあの子の視点で観てみよう」と、きっと何度も足を運びたくなるような作品になっているんじゃないかなと私は思いますので、今のカンパニーでしか見せられない「紅華歌劇音楽学校」の温度感を今日から千穐楽までぶつけて頑張りたいと思います。
杉本紗和役・佐藤日向
実は、今作は本当にギリギリまで台本がカットや追加が目まぐるしく行われて変わっていまして。正直、幕が開くのが怖いなという気持ちもまだあるんですけど、開いたら最後まで走り抜けるしかないですし、振付の松本稽古さんの振りがアニメでも使用されていた曲に合わせて踊っているナンバーも幾つかあるので、立体的に「紅華歌劇音楽学校」が皆さんのもとに届くんじゃないかなと思いますので、皆さんも是非、紅華の先生や生徒になった気持ちで客席や配信で楽しんでもらえたらなと思います。
山田彩子役・佐々木李子
短い時間の中でスタッフ、キャストもアイディアを出し合って、すごく沢山練って作り上げた舞台なので、細かいところまで見て欲しいなと思います。台詞を言っていないキャラクターも同じ空間で生きているので、原作では見られないキャラクターの隅々の表情であったり、動きだったり、そういった部分にも注目しながら私達の青春物語を楽しんでいただけたらなと思います。精一杯演じさせていただきます。
公演期間:2023年10月18日(水)〜10月22日(日)
会場:こくみん共済 coop ホール(全労済ホール)/スペース・ゼロ
上演時間:約2時間30分(10分間の途中休憩を含む)
料金:S席(特製グッズ付き)14,500円、S席 11,000円、A席 8,800円
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