アドベンチャーワールドでは、4羽のフェアリーペンギンの赤ちゃんが、2022年6月に誕生しました。
4羽すべてが誕生
2022年6月10日(金)に東京都葛西臨海水族園よりフェアリーペンギンの受精卵を4卵搬入しました。昨年は搬入した3卵のうち無事育ったのは1羽という結果でしたが、今回は6月23日(木)〜27日(月)にかけて、搬入した4卵すべてが無事誕生に至りました。
赤ちゃんは6月23日(木)に1羽、27日(月)に3羽が誕生。小さいペンギンで32.1g、大きいペンギンで39.1gの出生体重でした。
現在赤ちゃんはバックヤードで過ごしており、公開については決まり次第発表されます。
都市に住み絶滅の危機
フェアリーペンギンは野生下では都市に生息することが多く、車との接触事故や人間が捨てたゴミを誤食し、命を落とすことも少なくありません。また海水温度上昇により、子育ての際にエサとなる魚や甲殻類を捕まえることが出来ず、ヒナの生存率が低下し、絶滅が懸念されています。
国内のフェアリーペンギン飼育園館は4施設、42羽(2021年末時点)が飼育されており、国内の個体群で遺伝的多様性の維持が難しい状況です。
フェアリーペンギンがそれぞれ異なる遺伝子を持つ個体と繁殖し個体群を増やしつつ、新たな遺伝子を導入し、遺伝的多様性を維持することが必要です。
海外からの卵の輸送を計画
国内の動物園・水族館は共同してフェアリーペンギンの遺伝的多様性保全を目標に掲げ、オーストラリアから葛西臨海水族園への受精卵移動を計画しています。海外からの受精卵移動の成功率を上げるため、今回、オーストラリアから葛西臨海水族園までの移動を想定した タイムスケジュールで移動を行い、無事4羽すべてが誕生に至りました。
今回、葛西臨海水族園から卵の状態で搬入しました。赤ちゃんや、成鳥の状態での輸送は、検疫期間が必要となるほか、新しい飼育環境への順応、日長サイクルの違いなど多くの負担がかかります。リスクを減らすため誕生前の卵での輸送となりました。
今回の国内での受精卵移動および繁殖の成功は貴重なデータとし、今後は海外から国内への受精卵移動を目指し遺伝的多様性の保全に繋げていきます。