すみだ水族館は、新常設展示「オガサワラベース」を、2023年9月30日(土)にオープンしました。
すみだ水族館と小笠原の10年以上の協業を拡大
すみだ水族館に新エリア「小笠原」がオープン。常設展示として「オガサワラベース」が公開されました。
オープンに際し、毛塚館長は、2012年の開館の準備段階から、小笠原と協力してきたことを説明。館内最大の水槽「小笠原大水槽」を設置しており、すみだ水族館が目指す「公園のような水族館」を体現するエリアになっています。
「小笠原大水槽」は、小笠原村が監修。村観光局の根岸氏は水中景観や、小笠原諸島の海の色「ボニンブルー」の再現にこだわったことを振り返りました。
自然に対する思いのベースに
今回、水槽だけでなく「小笠原」エリアとして拡大。新たに「オガサワラベース」が加わりました。
新エリアについて根岸氏は、これまで小笠原の水中の生きものについて発信してもらってきたが、それに加えて陸の生きものについても魅力を伝えるエリアになることに期待を寄せました。
展示飼育チーム長の柿崎氏は「オガサワラベース」の名前について、小笠原と繋がる場所の情報発信拠点、大水槽の雄大な自然の海に繋がるようなベース、みなさんの環境や自然に対する思いのベースになるような意味が込められていると明かしました。
さかなクンが直筆イラストを披露
ゲストとしてさかなクンと、すみだ子どもPR大使の5名が登壇。大使の質問を交えながら、さかなクンと柿崎氏のトークを行いました。
小笠原の固有種について尋ねられたさかなクンは、ハゼの仲間「ヨシノボリ」を紹介。お腹に吸盤がついており、ヨシに登ることから名付けらており、小笠原村に暮らす「オガサワラヨシノボリ」は小笠原の固有種です。
すみだ水族館では繁殖にも取り組んでおり、オガサワラベースでも展示。さかなクンは説明しながらイラストをその場で描きました。
さらに、小笠原に生息するザトウクジラやオビシメも直筆イラストと共に説明。小笠原の生きものを実寸大で描いた特製のイラストを披露しました。
さかなクンの推し魚
小笠原大水槽の中では、さかなクンは全国の水族館でも展示は珍しいという「カッポレ」を推し。全身を使ってカッポレについて説明しました。美味しいそうです。
小笠原大水槽には、水中から覗き込める窓「アクアスコープ」がついています。さかなクンによると、水族館は「魚覗き」と言われていたそうで、水族館の原点だと語りました。
ウミガメの赤ちゃん命名
柿崎氏は、オガサワラベースは、すみだ水族館におけるアオウミガメの保護活動の拠点としても整備されていると説明。小笠原の浅瀬で見られる生きものと一緒に暮らせる水槽です。
水槽内には2匹のアオウミガメの赤ちゃんも展示しています。
すみだ水族館では、2022年秋から小笠原で生まれたアオウミガメの赤ちゃん「はつね」と「まえきち」を、外敵に襲われないよう1年間預かっていました。5〜6cmくらいで産まれてきたものが、20cmくらいまで大きくなり、小笠原の海に還って行きました。
今回、新たに2頭を預かり、約1年間オガサワラベースにて展示します。
2頭は、小笠原村立小笠原小学校の5年生が名前を考案。小笠原村のキャラクターおがじろうにより、「ボニン」「ブルー」と発表されました。見分け方は、ボニンの方が少し赤みがかっているそうです。
現在は甲羅の長さが約8cmで、1年間で20cm程度成長する見込み。あまり大きくなってから小笠原に返すと島の周りに居着いてしまうことがわかっており、1年程度で返すことになっています。
さらに、さかなクンと柿崎氏がその場で体重を計測。ボニンの体重は93g、ブルーは108gでした。
新グッズを紹介
毛塚館長は、2021年から小笠原や墨田区の住民とサステナブルなアクションを実施していることを説明。新エリアはアクションを継続・強化する目的もあるそうです。
そして今回、アップサイクルを利用したアクショングッズが登場。アクセサリーは、青い模様が入っている部分が海浜清掃で拾ったゴミだそう。他にも、ゴミから繊維をとって作ったTシャツなどを販売します。アップサイクルグッズは、売り上げの一部を小笠原での海浜清掃などの活動の資金として還元していくそうです。
小笠原村観光局の根岸氏は、「さわれるオガサワラ」をおすすめ。小笠原の生きものの触り心地を再現したカプセルトイで、一部商品をすみだ水族館が監修しています。