ユニバーサル・スタジオ・ジャパンは、アトラクション「JAWS(ジョーズ)」へのバイオ燃料を、2024年11月22日(金)より利用開始しました。
ジョーズでCSR新たな取り組み
ジョーズは、2001年のユニバーサル・スタジオ・ジャパン開園時から親しまれているアトラクション。映画『ジョーズ』の海を舞台に、巨大な人喰いザメに襲われる恐怖を体験できます。
ゲストはボートに乗り込み、クルーが実際にボートを操船しながらアトラクションが進んでいきます。
このボートの燃料として、新たにバイオディーゼル燃料が使われるようになりました。
年間約189トンの廃食油を燃料に
バイオディーゼル燃料は、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン内の廃食油を利用して精製したものです。
パーク内28のレストランでは、年間約189トンもの廃食油が発生しています。これは1日3本のドラム缶に匹敵する量です。
ユニバーサル・スタジオ・ジャパンでは、CSRの取り組みの一環として、この廃食油を回収することに。パークで発生した廃食油を、バイオ燃料生成プラントにてバイオディーゼル燃料に生まれ変わらせます。
精製時には、不純物として約10%が除去され、蒸留処理時にはグリセリン成分10%が発生します。このグリセリン成分は洗剤としてリサイクル。残った約80%がバイオディーゼル燃料として生成されます。
この取り組みにより、CO2を年間456トン削減できる計算。約51,000本のスギの木、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンの敷地3つ分もの森林が、1年間に吸収するCO2に匹敵します。
ジョーズのボート燃料をバイオ燃料に置き換え
11月22日(金)朝、アトラクションには「LOVE HAS NO LIMIT」チャリティグッズ購入者が招待され、バイオ燃料を使用した初便が運行されました。
その後、合同会社ユー・エス・ジェイ ファシリティサービス&ディベロップメント部 海老原陽 部長が、報道陣の取材に対応。バイオ燃料を導入する過程などを説明しました。
海老原氏によると、バイオ燃料に置き換えるにあたり、元々ボートのエンジンが一般燃料に対応していたため、特にボートの改修などは行なっていないそう。
一方運用面では、バイオ燃料によってコストが数十%ほど割高になるそうですが、それでもCSR活動としての意義を感じていると説明しました。
また、フードを揚げるなどした廃食油が元になっていますが、匂いなどもなく、担当者も実際に乗船しても違いがわからなかったと言います。
メンテナンス用車両などへの活用も実証実験中
ジョーズでは、年間約8,000リットルの燃料を使用しています。この燃料がバイオ燃料と軽油を混ぜたものに置き換えられました。
しかし、パーク内には他に経由を使うアトラクションがないとのこと。そのため、生成したバイオ燃料のうち約16万リットルが余ります。
残りの約16万リットルについては、発電や夜間メンテナンス用の作業車両で使用できないか、実証実験を行なっており、さらに、他社での活用や、将来的なSAFなどでの利用も検討してると説明しました。
同日には、チャリティグッズ売上寄付目録贈呈式も実施。ジョーズ前のフォトスポットによる記念撮影「ジョーズ・フォト」では、ハートロゴのプロップスを持った撮影や、フォト販売の20%を寄付する取り組みを、11月22日(金)〜29日(金)の8日間、実施しています。