すみだ水族館は、ミナミアメリカオットセイの赤ちゃんが、2022年6月8日(水)に誕生しました。
11月下旬にデビュー予定
ミナミアメリカオットセイの赤ちゃんがすみだ水族館に誕生。
体重3.3kg、体長約50cmのメスです。母親の「アナ」にとっては2回目の出産で、すみだ水族館では初の出産となりました。父親の「メテオ」にとっては、初の子どもです。
出産後、「アナ」は常に赤ちゃんを見守って行動を共にしています。赤ちゃんは現在体重が8kgを超え、8月上旬からは遊泳練習を始め、初めての遊泳練習でも水を怖がることもなく、すくすくと成長しています。「アナ」や飼育スタッフの愛情を受けて、甘えん坊で人なつっこい性格に育っており、「アナ」の背中によじ登ったり飼育スタッフを見つけると駆け寄ったりと、毎日かわいらしい行動を見せてくれています。
当面の間は「アナ」が安心して子育てに専念できるように、親子はバックヤードを中心に生活し、11月下旬以降に展示プールにデビュー予定です。名前の公募も検討しています。
性別:メス
現在の体重:8.32kg(8月29日時点)
両親:メテオ(オス)、アナ(メス)
国内初の短期ブリーディングローン出産
短期ブリーディングローンによるミナミアメリカオットセイの赤ちゃんの誕生は国内初です。短期ブリーディングローンとは、繁殖を目的に、動物園・水族館どうしで動物を貸し借りすること。新たなペア形成を促し血統を増やすことで種の保存に寄与することを目的としています。
すみだ水族館は2016年より、東武動物公園と共に、繁殖計画のもと短期ブリーディングローンに取り組んでまいりました。繁殖期にあたる例年4月~6月の約3カ月間、すみだ水族館のメスの「アナ」が東武動物公園に移動し、オス「メテオ」との繁殖に挑戦してきました。
2頭は相性が良く、初年度から交尾が見られ、5回目の取り組みとなる2021年5月22日(日)に交尾が確認された後、妊娠が判明しました。1年を超える妊娠期間を経て、2022年6月8日(水)に誕生しました。
担当者コメント
このたびのすみだ水族館と東武動物公園との取り組みは、オスの「メテオ」にとって初の子孫誕生となりました。血統を増やすことが未来にいきものを残す活動につながります。また、ブリーディングローンは長期で行われることが一般的ではありますが、繁殖シーズンに合わせて短期的に取り組む手法もあります。今回はメスのアナが安心して出産ができるように、発情・交尾行動を確認後、普段暮らしているすみだ水族館へ戻る、短期ブリーディングローンを選択しました。短期ブリーディングローンで取り組む場合は、その生物の生理周期を整え、繁殖のタイミングを正確に把握する必要があります。今回の当短期ブリーディングローンの成功が、ミナミアメリカオットセイの繁殖の選択肢を広げる事例となればと思っています。